花萌ゆる7人の皇子たち

10 ページ10

.




HS side



俺たち7人は宮廷の奥にある、普段は皇帝と大臣が集まって政を執る広間に向かった。



広間に入ると、すでに玉座には皇帝の姿があった。



SJ 「陛下、久方ぶりでございます。」



長兄であるジンヒョンの挨拶に続けて他の兄弟たちも父上に挨拶する。



ワン・ゴン「今日、7人に集まってもらったのは他でもない、皇太子について話があるからだ」



今日、何のために集められたのか、なんとなく予想はついていた。まぁ、俺は皇太子なんて興味はないのだけど。



皇太子… つまり次期皇帝の座だ。




順番で考えたら長兄であるジンヒョンが皇太子になるのが筋だろう。



だが、母親の地位で考えれば、ユンギヒョンの可能性もある。ジンヒョンの母親が側室であるのに対して、ユンギヒョンの母親は正室である。



いったい、どちらが皇太子の座に…



WG 「皇太子は…









ナムジュン、そなたにする」




父上の低い声が広間に響く。



「…っ！！」



思いもよらない人物の名前に、誰かの息を飲むような声が聞こえた。




ナムジュンは第4皇子だ。ジンヒョン、ユンギヒョン、そして俺の3人をすっ飛ばして4番目の皇子が皇太子に…



他の兄弟も驚いているのだろう、誰も反応出来ずにいると、




WG 「驚くのも無理はないだろう。だが、私はナムジュンのその類い稀なき政治の才能を活かしてほしいと考えている」



ナムジュンの勉学の成績は兄弟の中でもずば抜けていた。文学、哲学、宗教、政治… あらゆる学問で常にトップの成績を修め、宮廷に仕えている教授たちを凌ぐほどである。



NM 「ありがたき幸せでございます。皇太子の地位に恥じぬよう今後も研鑽してまいります。」




ナムジュンはそう言うと深々とお辞儀した。





.
.





ナムジュンが皇太子になったというニュースはすぐに宮廷中に広まり、このニュースで話題が持ちきりになった。




「上の3人の皇子様はいったいどう思ってらっしゃるのだろうか」


「ソクジン様が皇太子になられると思っていたのに…」


「でも、ナムジュン様の勉学の才能は数十年に1人と言われるほどの才能だと聞いたぞ。」





皇太子の宣明式は1ヶ月後に執り行うと発表されると、宮廷内はその準備で慌ただしくなった。



.

11→←9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す