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A side続き



『思い出すと、怖いんです… だからわざと明るい口調で話したんです。』



堪えていた涙が一筋また一筋と頬を伝う。



『心配させてしまってごめんなさい… 私のせいでソクジン様に人を殺めさせてしまってごめんなさい。あなたは人を殺すような人じゃないのに、』



最後まで言い終わらないうちに、ソクジン様は私の手を引っ張り私を近くに引き寄せると、そっと私の唇に口づけした。



何が起きたのか分からなくて放心状態になっている私に気づくと、彼はそっと唇を離し、私を優しく抱きしめた。



SJ「謝らないで。俺が悪かった。Aは何も悪くない… 不安なんだ、Aが危ない目に合う度にいつかいなくなってしまうんじゃないかって。怖かったんだ」



私を抱きしめる彼の腕に力が入る。彼の腕は少し震えていた。



SJ「Aのことは俺が守るから。その為なら俺は鬼にでも、修羅にでもなる。」



そっと私の体を離すと、私の頬を大きな手で包み、優しく指で涙を拭きながら、



SJ「さぁ、帰ろうか」



そう言ってまた私の手を握って屋敷を目指した。




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SJ side



男達のほうから女の人の声が聞こえてきて、反射的に足がそして手が動いた。



間違いなく彼女の声だ。



男達に近づいた時、隙間からAの怯えた顔が見える。



まただ。この全身の血が一気に逆流するような激しい怒り。



人を殺めたことなんてなかった。誰かを殺したいと思うことも、それ程までの激しい感情を抱いたことも。あの日の夜までは。



人間の急所は知っている。どこを斬れば致命傷になるのか。



俺は男達の急所を確実に狙い斬っていった。



しゃがみこんでしまったAを支えようとした時に、俺の視界の端に映ったジミンの表情は驚きと恐怖に染まっていた。



それなのに俺は人を殺めてしまったことよりも、Aを早く助けることが出来なかった自分に苛立っていた。



Aと屋敷に向かって水路の傍を歩いているとき、彼女のおどけたような話し方につい怒ってしまった。



ごめんなさいと涙を流しながら謝るA。



違うんだ、君は何も悪くないのに。謝らないで。



これ以上彼女から謝罪の言葉を聞きたくなくて、彼女にそっと口づけした。







"Aを守るためなら、鬼にだって修羅にだってなれる"




この言葉に嘘はない。




もう認めざるを得なかった。




SJ「 (あぁ、俺は彼女のことがたまらなく愛おしいんだ… ) 」

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まちゃ(プロフ) - hirotdmさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけているという言葉がとても励みになります!主人公ちゃん、高麗時代に来てから大変なことばかりですよね… 読者のみなさんもヒヤヒヤしますよね。 (2021年6月3日 0時) (レス) id: 81774260e0 (このIDを非表示/違反報告)
hirotdm(プロフ) - ここまでとっても楽しく読ませて頂いてます!これからどうなっちゃうんだろうって益々楽しみです。主人公ちゃんが痛い目に合うのがかなりのレベルなのでジンさんじゃなくても心配になります。 (2021年6月2日 13時) (レス) id: 69a4a38723 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ(プロフ) - avrillさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!! 頑張ります(^^) (2021年5月8日 10時) (レス) id: 9254a9bcf9 (このIDを非表示/違反報告)
avrill(プロフ) - 今後の展開がとっても気になります!楽しみにしているので無理なく頑張ってください! (2021年5月8日 4時) (レス) id: dd6824d8fc (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ(プロフ) - kokoさん» ありがとうございます!! 念願の初コメントいただけて泣いて喜んでます(涙) 頑張ります! (2021年5月8日 1時) (レス) id: 9254a9bcf9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まちゃ | 作成日時:2021年4月29日 22時

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