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『あのっ… ここなんですか?』
CR 「え? A様のお屋敷じゃないですか」
『お屋敷!? っていうことは私ここに住むの!?』
CR 「住むの?じゃなくて住んでるじゃないですか。A様、大丈夫ですか? さっきから変ですよ?」
どうしちゃったんだろう…とぶつぶつ呟きながら、チェリョンは私を屋敷の奥に連れて行った。
とある部屋の前で止まると襖を開けて、
CR 「替えのお召し物を持ってきますからお部屋でお待ちください」
と言って、行ってしまった。
部屋の中には、書棚だろうか、巻物が綺麗に並べられていて、低い棚には可愛らしい小物が置いてある。可愛らしくも落ち着いた印象の部屋だ。
棚の上に置いてある鏡に気づいて、ふと手にして自分の顔を見て驚いた。
『…っ! わ、若い… 何歳?』
鏡に写っていたのは27歳の自分ではなく、19.20歳くらいの少し幼い自分の顔だった。
いったいどういうことなのか。
そもそもどうしてチェリョンという人は私の名前を知っているのか…
もう訳が分からない… 私この先大丈夫かな…
CR 「A様、替えのお召し物を持ってきました。」
『あ、ありがとうございます…』
CR 「どうして急に敬語なんて! やっぱりどこか悪いんですか?」
『あの… 私とチェリョンさんってどういう関係なんですか?』
CR 「…………」
あぁ、すごい驚いてる…
CR 「ど、ど、どういう関係? 私のこと分からないんですか!? もう何年もA様にお仕えしてるのに??」
『 (あ、この人は私の召使いか何かなのか… 何年も仕えてるってことは、私はここの時代にちゃんと存在している人間なんだ。ということはこの時代の同姓同名、見た目も一緒の人になったというか、転生したのかな) 』
CR 「やっぱり頭でも打って記憶がないとか!?」
『 (未来から転生してきましたなんて言っても信じてもらえないよね… もう記憶がないってことにするか。) 実は何も覚えていなくて… 頭も痛いような…』
CR 「ええええ!?!?」
『ごめんなさい、ちょっと色々と頭が混乱してるので少し1人になってもいいですか…?』
驚いているチェリョンの背中を部屋の外まで押しだし、扉を閉め、扉に付いている華奢な鍵をカチャリとかけた。
湖で溺れて死んだと思ったら、高麗時代にタイムスリップしてきて、もう何がなんだか分からない…
ヘナヘナと床に座りこみ、うずくまってしまった。
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まちゃ(プロフ) - hirotdmさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけているという言葉がとても励みになります!主人公ちゃん、高麗時代に来てから大変なことばかりですよね… 読者のみなさんもヒヤヒヤしますよね。 (2021年6月3日 0時) (レス) id: 81774260e0 (このIDを非表示/違反報告)
hirotdm(プロフ) - ここまでとっても楽しく読ませて頂いてます!これからどうなっちゃうんだろうって益々楽しみです。主人公ちゃんが痛い目に合うのがかなりのレベルなのでジンさんじゃなくても心配になります。 (2021年6月2日 13時) (レス) id: 69a4a38723 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ(プロフ) - avrillさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!! 頑張ります(^^) (2021年5月8日 10時) (レス) id: 9254a9bcf9 (このIDを非表示/違反報告)
avrill(プロフ) - 今後の展開がとっても気になります!楽しみにしているので無理なく頑張ってください! (2021年5月8日 4時) (レス) id: dd6824d8fc (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ(プロフ) - kokoさん» ありがとうございます!! 念願の初コメントいただけて泣いて喜んでます(涙) 頑張ります! (2021年5月8日 1時) (レス) id: 9254a9bcf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まちゃ | 作成日時:2021年4月29日 22時