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YG side
あいつが部屋を出ていったあと、母上の前に座る。
YG 「… 話があると伺って参りましたが、話とは?」
王妃「陛下から皇太子について話があったとか…?」
YG 「はい。ナムジュンを皇太子にすると。」
王妃「何故だ…」
母上が何か小さい声で呟くのが聞こえ、聞き返す。
YG 「はい?」
王妃「何故、そなたではなく、ナムジュンなのだ」
YG 「……それは、」
王妃「なぜ側室の皇子が皇太子に選ばれる…? なぜ正室である私の子、嫡男であるそなたが皇太子でないのだ!!」
母上はそう叫ぶと、持っていた本を俺の顔に投げつけた。
左頬がヒリつくのを感じて指でそっと触ると、指に血が滲んでいた。
王妃「そなたは皇帝になるべき人間なのだぞ! 」
YG 「しかし… もう、決まったことです…」
王妃「……… 奪うのだ」
母上の言葉に思わず耳を疑った。
YG「…… 今なんと?」
王妃「皇太子の座をそなたが奪うのだ」
YG 「そんな……」
ナムジュンが皇太子になる。その事実はもう変えられない。いったいどうしろと言うのだ。
王妃「 殺せ ……… ナムジュンを」
母上の言葉に、一気に血の気が引いた。
YG「そんなこと出来ません…!! 異母兄弟とはいえナムジュンは私の弟です。」
そう答えると、母上は俺に一瞥し、
王妃「ユンギが出来ないと申すなら、ジミンに頼むとしよう。あの子を皇太子に、そして皇帝にする。」
YG 「っ!……」
王妃「しかし… あの子を皇太子にするとなれば上に兄がいるのは、その妨げになると思わぬか?」
背筋が凍った。
妨げになる…
それが何を意味して、俺がどうなるのか、容易に推測がつく。それでも…
YG「出来ません…… 」
王妃「皇太子の宣明式で、皇子たちにより剣舞が披露されるな。その最中にナムジュンを亡きものにするのだ」
YG「母上!!!」
王妃「そなたは皇帝の星を持つあの子に対して激しく嫉妬していた。それなのに今は皇帝の座に興味がないように振舞っている。本当は隠しているだけで、心の奥底では皇帝の座を欲しているのに… なぜ自分の欲望を隠す? なぜ抑え込む? 皇帝の座を狙えばいいではないか!! そなたは嫡男なのだぞ!! 」
王妃「よく考えなさい。話は済んだ、下がりなさい。」
俺は何も言えず部屋を出た。
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まちゃ(プロフ) - hirotdmさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけているという言葉がとても励みになります!主人公ちゃん、高麗時代に来てから大変なことばかりですよね… 読者のみなさんもヒヤヒヤしますよね。 (2021年6月3日 0時) (レス) id: 81774260e0 (このIDを非表示/違反報告)
hirotdm(プロフ) - ここまでとっても楽しく読ませて頂いてます!これからどうなっちゃうんだろうって益々楽しみです。主人公ちゃんが痛い目に合うのがかなりのレベルなのでジンさんじゃなくても心配になります。 (2021年6月2日 13時) (レス) id: 69a4a38723 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ(プロフ) - avrillさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!! 頑張ります(^^) (2021年5月8日 10時) (レス) id: 9254a9bcf9 (このIDを非表示/違反報告)
avrill(プロフ) - 今後の展開がとっても気になります!楽しみにしているので無理なく頑張ってください! (2021年5月8日 4時) (レス) id: dd6824d8fc (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ(プロフ) - kokoさん» ありがとうございます!! 念願の初コメントいただけて泣いて喜んでます(涙) 頑張ります! (2021年5月8日 1時) (レス) id: 9254a9bcf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まちゃ | 作成日時:2021年4月29日 22時