花萌ゆる7人の皇子たち

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今日は休日。都会から離れて湖を見に来た。ここは結構有名なところみたいで周りには家族連れやカップルがいて賑わっている。





『わぁ、すっごい綺麗。』






化粧品メーカーで働いている私、いわゆる美容部員と呼ばれる仕事をしていて、デパートの化粧品売り場で働いている。仕事は楽しいし、プライベートでも彼氏と上手くいっていた。






それなのにだ。彼氏が友達と浮気しているところを見てしまって、あまりの衝撃に怒りとかではなく、ただただショックが大きくて… そんな時たまたまインスタでこの湖の写真を見つけた。普段そこまで自然に興味を持つことってないのに、なぜかこの風景に惹かれて、見に行こうと決めた。





『暑いなー…』





湖のそばにはベンチが並んでいて、近くの売店で買ったアイスを食べながら湖をぼーっと眺めていた。





湖には何隻かボートが浮かんでいて、観光で来ている人たちが楽しそうに漕いでいる。







アイスを食べ終わってそろそろ行こうかなって思って立ち上がったとき、





『……！！！』





一隻のボートがバランスを崩して、乗っていた男の子が湖に落ちたのが見えた。






足もつかないような深い湖で男の子はパニックになって溺れている。





でも、男の子が落ちたことに周りの人は気づいていなくて、どうやら気づいているのは私だけのようだった。





『まずい…助けなきゃ……』




バシャン




気づいた時には、湖に飛び込んでいた。
水泳部だったから泳ぎには自信があった。




真夏なのに、湖の中はひんやりしていて、水中は蒼く透明だった。




なんとか男の子のところまで泳いでいくと、周りのボートの人たちも男の子が落ちたことに気づいたみたいで、ボートを近くまで寄せてきた。





男の子をボートに乗せて、私もボートに乗ろうとしたとき、突然足がつった。





ボートに乗っている人が伸ばした手を掴もうとしたが、水で手が滑って掴めない。



そんなことしている間に溺れ始めた。




どんなにもがいても、体はどんどん沈んでいく。





水面がだんだん遠くなっていき、周りが暗くなってきた。






『 (あぁ、私、死ぬのかな…) 』




湖の底から見る水中は蒼く鈍く光っていて、死にそうになってるっていうのに、あぁ綺麗だななんて思った。





視界がだんだんぼやけて私はそのまま意識を失った。







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この湖に惹かれたのは、偶然だったのか。



それとも運命だったのか。

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