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ジェシーくんのお誕生日、
それから田中くんのお誕生日、
とおめでたいイベントが続いた6月。
月末には去年と同じように
テストが控えていた。
1年生の頃、
現代文ばかりを頑張った結果、
同じ文系でも英語の点数が
脅かされつつあった私の生活は、
京本先生の"ヤバいよ"という
一言をきっかけに
その重心が英語へと
変わりつつあった。
京本先生は放課後、
職員室に入ることのできない生徒のために
毎日1時間だけ、
教室に残って補習に似た時間を
作ってくれていた。
本当は誰でもウェルカムなはずのその時間、
教室に残る人は私と森本くんくらいで。
毎日その超少人数体制で
英語を勉強しているうちに
京本先生とも少し、
変な言い方だけど
仲良くなれたように思う。
最初のうちはそれは酷いもので、
改めて1年生からやり直してもいいんだよ？
などと言われていた私も、
2週間半経つ頃には
それなりに成長していた。
「2週間半でここまでやれるってことは、1年のときマジで俺の授業聴いてなかったでしょ」
おかげさまで京本先生には、
上手くやってきたはずのこちらの事情が
全てバレてしまったが、
自分にも思い当たる節があるのか、
京本先生は若さだね、
などと言って人のことを
鼻で笑っている。
1年前。
松村先生と2人きりの教室で
先生の纏う全てに心臓を
忙しなく動かしていたことを
鮮明に覚えている。
あのとき、
解いていた問題は
今はもう解けないような気がするのに。
あのときの先生の
少し下がった眉や、
真っ黒な瞳に映った夕方のオレンジも、
格好のつかない様子で笑った顔も全て。
全てを残酷なほど鮮明に覚えている。
目に見える全てに素直に一喜一憂し、
その全てを覚えていたかったその日の私は、
松村先生も京本先生も言ったように
紛れもなく"若さ"であり、
"幼さ"だった。
何も知らないこと、
現実的でないことが許され、
許されていることに気づけずにいるような
そんな強さだった。
そして、
その強さを手放して初めて
あれが若さだったのかと気づく。
「子どもでいられるうちは子どもでいなさい」
いつかの準備室で先生が
言っていた言葉の意味を理解する。
理解して。
その分だけ私は、
少し「子ども」を手放してしまったみたいだった。
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はねこ(プロフ) - moonさん» moonさん、お読みいただき、コメントまでありがとうございます（ ; ; ）この小説！というものは特にないのですが、町田そのこさんの文章が好きで影響を受けているかもしれないです。また、余談ですが歌詞を読むのも好きです！今後ともよろしくお願いします(^^) (6月25日 19時) (
レス) id: 9f2c7cf6f4 (このIDを非表示/違反報告)
moon(プロフ) - 更新楽しみにしてました！！( ´•̥_•̥` )はねこさんが書かれる文章が綺麗で、とても引き込まれるのですが、普段読まれていたり影響を受けた小説とかってありますか？読んでいて気になりましたので、差し支えなければ教えていただきたいです> < (6月25日 3時) (レス) id: 5847df65e8 (このIDを非表示/違反報告)
はねこ(プロフ) - 翡翠さん» 翡翠さん、お読みいただき、嬉しいコメントまでありがとうございます！頑張って更新して参りますので、引き続きお楽しみいただければ幸いです(^^) (5月18日 22時) (レス) id: 9f2c7cf6f4 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 深夜に読んで号泣してます（т-т）松村先生帰ってきて~(;_;)(;_;)(;_;) 素敵なお話ありがとうございます(><)更新楽しみにしてます、！ (5月17日 2時) (レス) @page6 id: 6c0d9e0967 (このIDを非表示/違反報告)
はねこ(プロフ) - まゆみんさん» まゆみんさん、コメントありがとうございます。先ほど更新致しました。表示されておりますでしょうか？ (5月15日 0時) (レス) id: 9f2c7cf6f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はねこ | 作成日時：2022年9月7日 0時
