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�眞呂気鵑法�
届けに来てくれてありがとうございました、と
伝えてから準備室を後にした私は、
なんとか教室まで戻って、
紙袋をカバンにしまった。
晴れ舞台、だった。
全てのセリフを、
忘れることも、
噛むこともなく言うことができた。
"爆ぜた"と思う。
こんなことならずっと
あそこに立っていればよかった。
立っていたかった。
「和田」
名前を呼ばれて、
机に突っ伏していた顔を上げると
そこには京本先生がいた。
私の赤く腫れた目を見た京本先生は、
少し驚いた顔をして、
前の席に座りながら、
冷やしな、と冷たいペットボトルをくれる。
「ありがとうございます」
「松村先生ので泣いてんの？」
否定も肯定もしない私から、先生は目を逸らす。
「一応言っておくと、松村先生が辞めたのは和田のせいではないよ」
京本先生の顔を見ると、
好きだった？と尋ねられた。
小さく頷くと、
あの日さ、と先生は
机を人差し指でトントンと
叩きながら話し出す。
「ほら、あの音楽室で和田が松村先生に鋭いこと言ってた日。あの日、和田のこと大したもんだと思ったよ」
「北斗はさ、人に何も話さずに1人で悩むところがあるの。守りきれないものを仕方なく嫌いになるところがある。和田はよく気づいてたと思うよ、アイツのこと」
でも、と京本先生は続けた。
「でも、和田はこれからもっとたくさんの人と出会う。もっと楽に好きでいられる人を好きになれる日も来るはず」
「すぐに忘れろとは言わないけど、囚われちゃダメだよ。仮にも和田のことこんなに泣かせたわけだし、そんなヤツに生涯を捧げるのは賢明だとは思えない」
頷くことはできず、
別に楽に恋したかったわけじゃない、とも言えなかった。
何度も、松村先生が先生じゃなかったら
こんなに苦しまなかったのに、と思ったし。
一度も目元に当てられることの
なかったペットボトルは
いつの間にか手の中で汗をかいて、
ぬるくなっていた。
「白雪姫、よかったよ。よく頑張ったね。」
京本先生は頬をきゅっと持ち上げてそう言った後、
泣いてばかりいないで楽しみなよ〜と席を立ち、
ひらひら手を振りながら、
教室を出ていく。
大きな音を立てて時間を刻んでいる時計の短針は、
いつの間にか3を指していた。
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はねこ(プロフ) - moonさん» moonさん、お読みいただき、コメントまでありがとうございます（ ; ; ）この小説！というものは特にないのですが、町田そのこさんの文章が好きで影響を受けているかもしれないです。また、余談ですが歌詞を読むのも好きです！今後ともよろしくお願いします(^^) (6月25日 19時) (
レス) id: 9f2c7cf6f4 (このIDを非表示/違反報告)
moon(プロフ) - 更新楽しみにしてました！！( ´•̥_•̥` )はねこさんが書かれる文章が綺麗で、とても引き込まれるのですが、普段読まれていたり影響を受けた小説とかってありますか？読んでいて気になりましたので、差し支えなければ教えていただきたいです> < (6月25日 3時) (レス) id: 5847df65e8 (このIDを非表示/違反報告)
はねこ(プロフ) - 翡翠さん» 翡翠さん、お読みいただき、嬉しいコメントまでありがとうございます！頑張って更新して参りますので、引き続きお楽しみいただければ幸いです(^^) (5月18日 22時) (レス) id: 9f2c7cf6f4 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 深夜に読んで号泣してます（т-т）松村先生帰ってきて~(;_;)(;_;)(;_;) 素敵なお話ありがとうございます(><)更新楽しみにしてます、！ (5月17日 2時) (レス) @page6 id: 6c0d9e0967 (このIDを非表示/違反報告)
はねこ(プロフ) - まゆみんさん» まゆみんさん、コメントありがとうございます。先ほど更新致しました。表示されておりますでしょうか？ (5月15日 0時) (レス) id: 9f2c7cf6f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はねこ | 作成日時：2022年9月7日 0時
