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次の日、学校に行くと教室には既に森本くんがいた。
ドアを開けた私を見つけて
おはようと手を振る森本くんは
本当に寝付けなかったようで、
少し疲れた顔している。
「おはよう。あ、昨日は、メッセージくれてありがとう」
「ううん！今日、頑張ろうね！」
そう言って森本くんは右手を差し出す。
それに答えるように
私も右手を差し出すと、
彼はその手をぎゅっと握って
小さく上下に振った。
「手、ちっちゃいね」
「森本くんの手が大きいんだよ」
そうかな、と自分の手のひらを確認した後、
やっぱりAちゃんの手が
ちっちゃいんだと思うよ、と笑う。
そんなやりとりをしていると、ジェシーくんが入ってきて、おはようと挨拶を交わした。
「Aちゃん、自信どう？」
「あるとは言えないけど、もう大丈夫。逃げ出したいとは思わないよ、足もすくまない」
お姫さまはそうでなくちゃ、と
親指を立てたジェシーくんに、
私も親指を立てて見せる。
それを見ていた森本くんが優しく笑った。
出番を控えて、
着替えを済ませ、
体育館に向かう途中、
渡り廊下から準備室が見える。
窓が開いていて、
相変わらずの濃い緑のカーテンが
湿気を帯びた風を纏いながら
重たそうに膨らんでいた。
きっとそこに先生がいる。
昨日、わざわざ私を呼び止めて声をかけた先生。
去年、私の結った髪に気づいてくれた先生。
私が今日、
小さな心臓を震わせて、
それでもここに立っていられるのは
そんな先生のおかげでもある。
今日、私がステージに立つ姿を見て
誇らしく思ってほしい。
私は初めて会った日から、
今日までずっと先生にとって、
"いい生徒"でいたいのだ。
そして、たまに手のかかる子として
心配していてほしい。
そんな想いを抱き締めるように深呼吸をして、
ステージ脇でクラスの子たちと励ましあってから、
下りた緞帳の裏で自分の立ち位置につく。
ブザーが鳴った。
幕が上がる。
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はねこ(プロフ) - moonさん» moonさん、お読みいただき、コメントまでありがとうございます（ ; ; ）この小説！というものは特にないのですが、町田そのこさんの文章が好きで影響を受けているかもしれないです。また、余談ですが歌詞を読むのも好きです！今後ともよろしくお願いします(^^) (6月25日 19時) (
レス) id: 9f2c7cf6f4 (このIDを非表示/違反報告)
moon(プロフ) - 更新楽しみにしてました！！( ´•̥_•̥` )はねこさんが書かれる文章が綺麗で、とても引き込まれるのですが、普段読まれていたり影響を受けた小説とかってありますか？読んでいて気になりましたので、差し支えなければ教えていただきたいです> < (6月25日 3時) (レス) id: 5847df65e8 (このIDを非表示/違反報告)
はねこ(プロフ) - 翡翠さん» 翡翠さん、お読みいただき、嬉しいコメントまでありがとうございます！頑張って更新して参りますので、引き続きお楽しみいただければ幸いです(^^) (5月18日 22時) (レス) id: 9f2c7cf6f4 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 深夜に読んで号泣してます（т-т）松村先生帰ってきて~(;_;)(;_;)(;_;) 素敵なお話ありがとうございます(><)更新楽しみにしてます、！ (5月17日 2時) (レス) @page6 id: 6c0d9e0967 (このIDを非表示/違反報告)
はねこ(プロフ) - まゆみんさん» まゆみんさん、コメントありがとうございます。先ほど更新致しました。表示されておりますでしょうか？ (5月15日 0時) (レス) id: 9f2c7cf6f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はねこ | 作成日時：2022年9月7日 0時
