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ファミレスを出て、
カラオケに行こうと言うみんなに
お母さんに遅くなるって
言ってきてないから、と
私はその誘いを断った。
また今度予定立てて行こう、と
言ってくれる真由ちゃんと、
それに頷くみんなにお礼を言って、
私は駅に行くために
みんなと逆方向に歩き出す。
しばらく歩いたところで
右肩がとんとんと叩かれて、
驚いて振り返ると
森本くんが立っていた。
「一緒帰ろ」
「あれ、森本くん、カラオケ行かないの？」
「うん、俺、行っても歌わないから今日は帰ろうかなって」
「そっか」
当たり前みたいに
車道側を歩き始めた
森本くんに優しいな、と思う。
テストどうだった？
俺ボロボロだったわ
今回はきょもも許してくんないかも
もし俺が3年生になれなくても
俺のこと忘れないでね、って
ずっと隣で話していてくれるところも。
そんな優しさに、
私は少し上の空なままでしか
反応できない。
もし松村先生がいたらって、
見逃せないって、
そんな考えで頭がいっぱいで。
「寂しい？」
「え？」
「Aちゃん、松村がいなくなってからずっと心ここにあらずって感じ。…寂しい？」
「寂しい」
声に出してみると、
みるみるうちに体の中で
寂しさが大きくなっていく。
本当は。
どんなに目を凝らして、
集中して街を歩いても。
そんな簡単に先生と
すれ違うわけないことになんか
とうに気づいていた。
もう会えないかもしれない現実から
目をそらしたくて、
先生のことを忘れてしまうのが怖くて、
ずっと先生のことを考えていた。
「そうだよね」
森本くんはそう呟いた後、
隣で今までにないくらい静かになった。
不思議になって、
その顔を見ると
眉間に皺を寄せていて。
目が合った瞬間、
森本くんの背筋はしゅっと伸びた。
「あのさ」
「俺、Aちゃんの笑ってる顔が好きで、だからできるだけ笑っててほしい」
「何が言いたいかって言うと、俺なら寂しくさせたりしないよってことで」
普段は凛々しい眉が少し情けなく垂れて。
その眉にかかるか
かからないかくらいの前髪が
風に吹かれてふっと揺れる。
「だからさ、その、俺と付き合いませんか？」
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はねこ(プロフ) - moonさん» moonさん、お読みいただき、コメントまでありがとうございます（ ; ; ）この小説！というものは特にないのですが、町田そのこさんの文章が好きで影響を受けているかもしれないです。また、余談ですが歌詞を読むのも好きです！今後ともよろしくお願いします(^^) (6月25日 19時) (
レス) id: 9f2c7cf6f4 (このIDを非表示/違反報告)
moon(プロフ) - 更新楽しみにしてました！！( ´•̥_•̥` )はねこさんが書かれる文章が綺麗で、とても引き込まれるのですが、普段読まれていたり影響を受けた小説とかってありますか？読んでいて気になりましたので、差し支えなければ教えていただきたいです> < (6月25日 3時) (レス) id: 5847df65e8 (このIDを非表示/違反報告)
はねこ(プロフ) - 翡翠さん» 翡翠さん、お読みいただき、嬉しいコメントまでありがとうございます！頑張って更新して参りますので、引き続きお楽しみいただければ幸いです(^^) (5月18日 22時) (レス) id: 9f2c7cf6f4 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 深夜に読んで号泣してます（т-т）松村先生帰ってきて~(;_;)(;_;)(;_;) 素敵なお話ありがとうございます(><)更新楽しみにしてます、！ (5月17日 2時) (レス) @page6 id: 6c0d9e0967 (このIDを非表示/違反報告)
はねこ(プロフ) - まゆみんさん» まゆみんさん、コメントありがとうございます。先ほど更新致しました。表示されておりますでしょうか？ (5月15日 0時) (レス) id: 9f2c7cf6f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はねこ | 作成日時：2022年9月7日 0時
