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『んじゃね』
「ほんとに送ってかなくていいんだな？」
『うん。駅からすぐだし、大通り沿いだから』
「おん。………変な男に捕まんなよ？」
『わかってるって。辰哉より怪しい人いないから』
「ふは、なぁんだよ、それ。んまぁ今日会ったやつに言われても、だよな。あながち間違ってはねぇか」
可笑しいと笑い合って、彼の手が、ぽん、と頭の上に乗る……
びく、！と肩が震えて、
脳裏に浮かぶ恐怖
『い、や！！』
周りの雑踏から驚いた目線を注がれるくらい大きな声が出てしまって、彼の腕を振り払った手がじんじん痛い
ああ、やっちゃった
「ご、ごめん。驚かせたな。……ほんとごめん」
『ううん！ごめん……あの、年上の男の人に触られるの、昔から苦手で。なんでか……分かんないんだけど』
「………そっか」
滝のように心に降る雨は、辰哉にバレていないだろうかと私の心臓は鼓動で煩くて、作り笑いをすることに必死になっていた
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アパートの部屋に着いてすぐ、冷たい扉に背中を預けてずるずると膝から崩れ落ちた
数時間前、辰哉に出会ったばかりなのに
なぜか運命を感じていた
彼なら私を変えてくれる
恋愛をするなんて夢だと思っていた
トラウマが出ても、彼は引かなかった
そんな男性は今まで居なかったから
私は……幸せになれるだろうか
「これ、俺の番号。いつでもかけて来いよ、な？」
心配そうに笑顔を作る彼の顔を見るのが苦しかった
彼を早く安心させてあげたいって
画面に映る"辰哉"の文字が
胸の奥に、初恋、をもたらしていた
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"辰哉様、お疲れ様でございました"
「ああ」
"ほんとに、無事でいらしたのですね…A様"
「夢みたいだよな、本当に」
"執事として…胸が詰まるような思いです"
「そうだな…犯人にかなり厳しい暮らしを強いられてきたみたいだ。身代金も好き放題使い切ったんだろうな。Aには何も還元されていない。成人といえども……早めに身元を引き取らなければ」
"いつ、深澤財閥の跡取りの身分をお伝えになるおつもりで？"
「次会う時には、かな。あと、」
「……君は18年前に誘拐された、俺の妹だって事も」
愛し合うなんて
絶対出来ないのに
END.
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kae(プロフ) - いくさん» いく様！全て読んでいただけたなんて！嬉しいお言葉、こちらこそありがとうございます！B型のお話は変わった形に挑戦してみた作品だったので、気に入っていただけて感激です😭これからもぜひよろしくお願いします♡ (2022年7月31日 16時) (
レス) id: c0ea9eb106 (このIDを非表示/違反報告)
いく(プロフ) - はじめまして。一気読みしました。とっても面白かったです。Ｂ型の男、あるある〜って思って読んでたら最後は優しさ出てきてステキだなと思いました。ありがとうございました。 (2022年7月31日 14時) (レス) @page42 id: b9250881d5 (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - あいさん» 終わりに涙していただけるなんて勿体ないです…本当に感謝に尽きます！またいつか紫づくしできるようにネタを貯めたいと思います♡またあいさんのお気に召す物語をかけるように努力します！これからもよろしくお願いします〜♡ (2021年10月16日 17時) (レス) id: 03cd483279 (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - あいさん» あい様（ ; ; ）いつも本当にたくさんの愛のあるお言葉ありがとうございます！！紫さんの特徴を掴んで書くことを意識していたので凄く嬉しいです♡担当のあいさんに褒めてもらえればもう何も怖くありません。笑 許せない男推しですね？有難いです（ ; ; ） (2021年10月16日 17時) (レス) id: 03cd483279 (このIDを非表示/違反報告)
あい - そして、またあとがきにお名前を記載してくださった事、以前にノリでも何でも私にファンと仰ってくれた事、とても嬉しかったです。いつもありがとうございます！いつも心配性が入ってしまうけど、心を込めてラブ！ (2021年10月16日 13時) (レス) id: 19c4a69f60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kae
| 作成日時：2021年9月26日 22時
