変化した男 ページ36
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辰哉は隣の部屋から出てくる暗い男というイメージで、真っ黒な髪は癖っ毛なのかごわごわで。頬は痩せこけて毎朝同じ時間に真っ青な顔でくたびれたスーツを着て出て行く人だった
もちろん近寄り難い雰囲気で怖さもあったけれど、ゴミ袋を収集所に出しに向かうタイミングが重なってエレベーターですれ違うことが何度もあって、その度にこの人はもう命を絶ってしまうんではないかと勝手に心配になって…なるべく笑顔で挨拶することを心掛けていた
『おはよう、ございます』
「…………ども」
無表情に返ってくる言葉も籠った感じで……まぁ嫌われているようで無さそうだけれど。その頃よく蓮と部屋で大声で喧嘩をしていたから、特に隣の部屋の彼にはいい顔をしておきたかった。ここを出ていっても他にアテもなかったから。
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ある日から辰哉の様子ががらり、と変わった。もちろんそれがいつだったかは覚えていないけれど……恐らく私と蓮が別れた頃からだったかもしれない
というのも蓮が残していった品物を処分する為や、つけていた日記を破って捨てたゴミのこともあって、通例の時間に部屋を出ることが増えたからか、辰哉とすれ違う回数も多くなって。だからこそ目につくようになったのだと思う
その変貌ぶりは顕著に外観に現れていた。これだけの変化であれば……前の会社を辞めたのか？オレンジ系の茶色の髪にパーマがかかってピアスも揺れていて。
目には覇気が戻っていて鋭い視線かと思いきや、私に向けられるものはそれはそれは柔らかいものだった
「あ、おはようございます！」
『おはようございます…』
以前は逆の立場だったこちらが困って笑顔がぎこちなくなって、目線を外してしまうくらい…それくらい魅力的な今時の男性になっていた
ある日会社から帰ってきたエレベーターで乗り合わせて、すでに押されているオレンジ色の同じ階の数字を確認して、それが上に動き出した途中。
「………あの。今度、ご飯でもどうですか？」
『っえ、』
いきなりの辰哉の提案を断らなかったのは、ビジネスバッグを持つスマートなスーツ姿の彼がポッケに片手を突っ込んだまま少年のように柔らかく私を見つめていて。どこか昔、蓮に一目惚れした時と同じ感覚を抱いたから、だと自分でも感じていた
それから辰哉と呼ぶ関係になるまではあっという間だった
彼は不思議なほど私の男性に関する
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kae(プロフ) - いくさん» いく様！全て読んでいただけたなんて！嬉しいお言葉、こちらこそありがとうございます！B型のお話は変わった形に挑戦してみた作品だったので、気に入っていただけて感激です😭これからもぜひよろしくお願いします♡ (2022年7月31日 16時) (
レス) id: c0ea9eb106 (このIDを非表示/違反報告)
いく(プロフ) - はじめまして。一気読みしました。とっても面白かったです。Ｂ型の男、あるある〜って思って読んでたら最後は優しさ出てきてステキだなと思いました。ありがとうございました。 (2022年7月31日 14時) (レス) @page42 id: b9250881d5 (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - あいさん» 終わりに涙していただけるなんて勿体ないです…本当に感謝に尽きます！またいつか紫づくしできるようにネタを貯めたいと思います♡またあいさんのお気に召す物語をかけるように努力します！これからもよろしくお願いします〜♡ (2021年10月16日 17時) (レス) id: 03cd483279 (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - あいさん» あい様（ ; ; ）いつも本当にたくさんの愛のあるお言葉ありがとうございます！！紫さんの特徴を掴んで書くことを意識していたので凄く嬉しいです♡担当のあいさんに褒めてもらえればもう何も怖くありません。笑 許せない男推しですね？有難いです（ ; ; ） (2021年10月16日 17時) (レス) id: 03cd483279 (このIDを非表示/違反報告)
あい - そして、またあとがきにお名前を記載してくださった事、以前にノリでも何でも私にファンと仰ってくれた事、とても嬉しかったです。いつもありがとうございます！いつも心配性が入ってしまうけど、心を込めてラブ！ (2021年10月16日 13時) (レス) id: 19c4a69f60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kae
| 作成日時：2021年9月26日 22時
