無情の愛【🤍】 ページ12
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珍しいお客だと思った。身長が高く、顔は日本人離れしていて、こんなひっそりと佇む洋服店に現れるような年代ではない。
「……あの、」
『いらっしゃいませ』
「スーツのオーダーを……初めてなので、何も分からなくて」
『ありがとうございます。では、少しご説明からさせていただきますね』
特別、彼に優しい笑顔を向けたつもりはなかった。ただ間違いなくいつもよりは緊張していた。整った彼の外見、飲み込まれそうになる瞳、耳を掠める声……別に男性経験が無いわけでもないのに、まるで好きになる魔法をかけられているような気がして、冷静になるのに必死だった。
『生地やデザインをお選びいただいて……こちらになります』
「………迷っちゃいますね」
『ふふ、そうですよね』
「あの、………どれがいいと思いますか？」
『え、？』
「お姉さんが僕に似合うと思うの、どんなのか知りたいです」
『あ、そ、そうですね……では……こちらのスタイリッシュな形でしたら、無難にフォーマルな場に馴染むと思います。色味は……このような雰囲気でどうでしょう？』
「うん。凄く素敵です。じゃあ、………これで」
『っ、！』
彼は真っ直ぐ私の目を射抜いて、向かいに座って生地を指し示す私の手に自らの手を重ねた。驚く私は肩をびくり、と震わせて、視線を外すことで精一杯で。明らかに年下の彼に、早々転がされているのは明白だった。
『あの………困ります』
「……嫌ですか？」
『………お客様、ですから』
「なるほど。そうですよね。じゃあ、……お客じゃなかったらいいんだ？」
『っ、それは、』
「ふふ…やっとこっち見た」
慌てる私を愛おしそうに見つめて、「可愛い」と呟く彼の長い腕が私の頬に伸びた。大きな手のひらが右頬を包んで、親指が唇を捉える。
「今夜、ご予定はありますか？」
『…………い、いえ…特に、は……』
「よかった。ゆっくり、お酒でも飲んで……お話ししませんか？」
『………すみません、やはりっ、！』
少し目を伏せて返答を戸惑い、断ろうとした私の思惑を彼は見逃さなかった。頬にあった彼の手はすかさず私の首の後ろを引き寄せて、机に身を乗り出して唇を奪われる。突然のことに呆然とするだけの私は、ただ深くなっていく口づけを受け入れるしかなく、抵抗をしようと肩を押した時にはもう、目の前で怪しく微笑む彼に落ちていた。
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kae(プロフ) - meeeeenさん» meeeeen様、いつも優しいお言葉をかけてくださってありがとうございます😢架空とはいえ、ありそうだなぁとお話の世界に入っていただけて嬉しいです🙏こちらこそ読んでくださってありがとうございます。これからもよろしくお願いします😭 (2023年4月4日 18時) (
レス) @page49 id: 2742f5c4f0 (このIDを非表示/違反報告)
meeeeen(プロフ) - 最後まで楽しく拝見させていただきました。勿論、彼らは素敵な人でそんなことはしないであろう…でも、想像できます。素敵なお話ありがとうございました！！ (2023年4月4日 11時) (レス) @page50 id: f8e174bf81 (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - ゆきさん» ゆき様〜！いつも温かいコメありがとうございます😭あまり反応が無くて悲しくなってたんですが、一気に全部吹き飛びました😂これからも頑張れます…！ほんとにほんとに凄く嬉しいです！！これからも宜しくお願いします♡ (2023年4月2日 10時) (レス) id: 2742f5c4f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - kae様、いつも刺さりまくるお話ありがとうございます！ ダークなスノさん最高でした🥹 またお話たのしみにしておりすます！ (2023年4月2日 8時) (レス) @page50 id: 6c8365d1f8 (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - まーたんさん» まーたん様、コメありがとうございます😭のんびり更新とはなりますが今後ともお付き合いください💦 (2023年1月4日 15時) (レス) id: 0d3898dd38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kae
| 作成日時：2022年12月5日 0時
