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あれから半年後、お祖父様とお祖母様が立て続けに亡くなった。遺品の整理の為と、大きな和風の屋敷に涼太さんと訪れた。
「最低限の物しか置いてなかったみたいだから、すぐに終わると思う。Aはこのリビングの小物を段ボールに詰めてもらえる？」
『はい、かしこまりました』
「俺は２階を片付けてくるからね。何かあったら階段の下から呼んで？」
素直に頷くと柔らかい笑顔で私の頭を撫でて、彼は部屋を出ていった。彼が言った通り、これだけ広い部屋だというのに、物はほとんどなかった。家具以外のものを詰めたところで２箱だけ。あっさり指示された課題が終わり、階段下から指示を仰ごうと声を掛ける。
「涼太さん、こちら終わりました！」
暫く経っても返答はなく、しーんとした空気だけ。なんだか嫌な予感がして階段を音を立てないように登ると、1番奥の部屋から光が漏れている。その少しだけ開いたドアから中を覗くと、
「Aちゃん………やっと会えたね」
あの人形を優しく抱く彼の姿があった。
「これでもう怖いことはないよ？俺達の関係を邪魔する奴は、すぐに罰が下るから。…………例えそれが誰であっても」
背中に冷たい汗が流れたのがわかった。あの老夫婦が急逝したのは、涼太さんの差金……それと同時にもし彼が……全てを知っていた上に、それを履行した私の罪を知ったら。そう恐怖が身体を震え上がらせる。早く逃げなければ、そう思うのに、そこから動けなかった。何故なら、私はこんな時ですら………Aちゃんに嫉妬していた。
『………涼太さん？失礼します。下の片付けが終わりました』
「ああ、A！ごめんね、寂しかったね？そうだ！ほら、見て！Aちゃんが無理やりこの部屋に閉じ込められてたんだ」
『まぁ、それは大変でした。またお会いできて私も嬉しいです』
「うん！そうだね。また３人で幸せに暮らそう？」
『ええ………そうなるといいですね』
数日後、涼太さんはまたしても絶望の表情をしていた。またしても人形が姿を消したのだ。
「どうしよう……A、俺はもう……」
『ああ、可哀想に。気をしっかりなさってください』
泣きじゃくる彼を、ぎゅう、と抱きしめる。私は静かにその目線を、燃え盛る暖炉に向けた。
『……私はずっと涼太さんのそばにいますからね』
───例え全てを知って、貴方が私を消したとしても。
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kae(プロフ) - meeeeenさん» meeeeen様、いつも優しいお言葉をかけてくださってありがとうございます😢架空とはいえ、ありそうだなぁとお話の世界に入っていただけて嬉しいです🙏こちらこそ読んでくださってありがとうございます。これからもよろしくお願いします😭 (2023年4月4日 18時) (
レス) @page49 id: 2742f5c4f0 (このIDを非表示/違反報告)
meeeeen(プロフ) - 最後まで楽しく拝見させていただきました。勿論、彼らは素敵な人でそんなことはしないであろう…でも、想像できます。素敵なお話ありがとうございました！！ (2023年4月4日 11時) (レス) @page50 id: f8e174bf81 (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - ゆきさん» ゆき様〜！いつも温かいコメありがとうございます😭あまり反応が無くて悲しくなってたんですが、一気に全部吹き飛びました😂これからも頑張れます…！ほんとにほんとに凄く嬉しいです！！これからも宜しくお願いします♡ (2023年4月2日 10時) (レス) id: 2742f5c4f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - kae様、いつも刺さりまくるお話ありがとうございます！ ダークなスノさん最高でした🥹 またお話たのしみにしておりすます！ (2023年4月2日 8時) (レス) @page50 id: 6c8365d1f8 (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - まーたんさん» まーたん様、コメありがとうございます😭のんびり更新とはなりますが今後ともお付き合いください💦 (2023年1月4日 15時) (レス) id: 0d3898dd38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kae
| 作成日時：2022年12月5日 0時
