嘘は誠の皮、誠は嘘の骨【🖤】 ページ22
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彼と出会ったのは、ある寒い冬の日だった。慌ただしい人並みも閉店間際になればまばらになって、あとはカウンターで項垂れる男性が帰るのを待つだけだった
(ったく、あいついつになったら帰るんだよ…)
『そんな前からいるんですか？』
(そうなんだよ。Aちゃんがインする2時間も前からだぜー？コーヒー１杯でどんだけ粘ってんだよって、話。)
はぁ、とため息をつく店長は、最近2人目の子供が生まれたばかりで、奥さんに早く帰ってこいと急かされている、と最近よく溢している。昔からお世話になっているし、ここは私も借りを返さなくては
『店長、あと私やっときます。先上がってください』
「ほんと！？流石リーダー……助かるよ……」と嘘泣きに近い顔で足早に帰っていった店長。ふと店内に視線を戻しても、あの若い男性はまだガラスの向こうの人並みに、ぼーっとしているだけにみえる
『………もう閉店時間だし……声かけるしかないか……』
閉店のアナウンスにも反応を示さないようで、こればっかりは最終手段に出るしか無い。意を決してフロアに出てゆっくりと近づいていけば、彼の耳にイヤホンがあることに気づいた。なるほど、それは閉店に気づかないわけだ。
驚かさないように、と顔を覗き込むようにして反応を伺うと、ガラス面に反射した私に気づいたようで、目を見開いた彼は慌ててイヤホンを外した
『お客様、申し訳ありません。当店は閉店時刻になりまして……』
「っ、すいません！俺、ぼーっとしてて……」
『いえ。それよりあの……大丈夫ですか？』
「あ、ええっと……はい………」
彼はかなり疲労したような表情をしていた。かなり焦っている、といったところだろうか。なんだかそれが心配になって、違う話題を振る事にした
『…………コーヒー、お好きなんですか？』
「え！あ、……はい。というか……ここのお店、好きなんです。コーヒー美味しいし、店員さんもみんな優しくて。………お姉さんにもいつも癒してもらってます。……あ、すいません。キモいですね、こんなの急に言われて……」
『ふふ、いいえ。そう言っていただけて、ありがたいです』
真面目そうな、少し天然なような。そんな彼の姿に思わず笑ってしまって、なんだか興味が湧いてしまった
『………私で良ければ、話、聞きますよ？』
にっこりとそう伝えれば、彼は恥ずかしそうに微笑んだ
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kae(プロフ) - meeeeenさん» meeeeen様、いつも優しいお言葉をかけてくださってありがとうございます😢架空とはいえ、ありそうだなぁとお話の世界に入っていただけて嬉しいです🙏こちらこそ読んでくださってありがとうございます。これからもよろしくお願いします😭 (2023年4月4日 18時) (
レス) @page49 id: 2742f5c4f0 (このIDを非表示/違反報告)
meeeeen(プロフ) - 最後まで楽しく拝見させていただきました。勿論、彼らは素敵な人でそんなことはしないであろう…でも、想像できます。素敵なお話ありがとうございました！！ (2023年4月4日 11時) (レス) @page50 id: f8e174bf81 (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - ゆきさん» ゆき様〜！いつも温かいコメありがとうございます😭あまり反応が無くて悲しくなってたんですが、一気に全部吹き飛びました😂これからも頑張れます…！ほんとにほんとに凄く嬉しいです！！これからも宜しくお願いします♡ (2023年4月2日 10時) (レス) id: 2742f5c4f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - kae様、いつも刺さりまくるお話ありがとうございます！ ダークなスノさん最高でした🥹 またお話たのしみにしておりすます！ (2023年4月2日 8時) (レス) @page50 id: 6c8365d1f8 (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - まーたんさん» まーたん様、コメありがとうございます😭のんびり更新とはなりますが今後ともお付き合いください💦 (2023年1月4日 15時) (レス) id: 0d3898dd38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kae
| 作成日時：2022年12月5日 0時
