わかれうた【💜】 ページ1
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夜中、冷たい風の中でギターを弾いていた。別に誰に届かなくても良くて、駅前だというけど……あえていつも人通りの少ない場所を選んだ。見つけて欲しいけれど、見つかりたく無かった。
寒さに少し声が震えても、おもいっきり歌うほどに心の中のもやもやが消えていく気がして嬉しくなる。だから少しずつ近づく彼の姿に反応するのが遅くなった。最後のフレーズが終わってギターの音が止まると同時に、なんとなく視線を感じた方向に目を向けて、私は驚いたまま固まってしまった。
「………A、？」
『……あ、え……』
「………久しぶり。……元気そうだな」
『………』
「おい、大丈夫かー？」
『あっ、はい。すみません。深澤、せんぱい』
「ふは、ちゃんと覚えてくれてる」
『当たり前です。まだ卒業して2年しか経ってませんよ』
「まぁ、そうだけどぉ。………ね、歌、上手いじゃん」
『あ、ありがとうございます』
昔と変わらずスタイルが良くて、細身のスーツが似合っている。下手くそに笑ってゆっくり近づいた彼は、最も簡単に私のテリトリーに足を運ぶ。しゃがんで私の横に場所をとって、優しい瞳で私を懐かしそうに見つめる。そう、この人は恐ろしいほど他人の警戒心を突破してしまう。だから男女共に好かれるし、私みたいな根暗にでさえ、好かれてしまう始末なのだ
『あの………深澤先輩………なんでいるんですか？』
「んー、あぁ。帰省ってやつかな」
『……こんな平日の夜に？』
「相変わらずAは鋭いとこ突くねぇ……」
高校卒業と同時に遠い都会に出たはずの彼が目の前にいることは不思議でしかなかった。嬉しさと同じくらいに感じたその疑問を何も考えずにぶつけてみたのだ。ふは、と苦笑いして俯いた彼は、肩に引っかけるようにして手にしていたボストンバックをコンクリートにどすん、と下すと、はぁ、とひとつため息をついた。
『すいません……また余計なこと、』
「いや、気にしてねぇよ？そういう真っ直ぐなとこが、Aのいいとこじゃん。……俺、好きだよ？裏表ない人」
『……あ、あぁ……』
そう、これ。簡単に口から出る告白とも取れる言葉に、心臓が跳ね上がるのは何度目だろうか。勘違いしないようにと気をつけるのだけど、私はいつもその後の返答を上手くできていない気がして、隠した心を気付かれないかとヒヤヒヤしていた。
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kae(プロフ) - meeeeenさん» meeeeen様、いつも優しいお言葉をかけてくださってありがとうございます😢架空とはいえ、ありそうだなぁとお話の世界に入っていただけて嬉しいです🙏こちらこそ読んでくださってありがとうございます。これからもよろしくお願いします😭 (2023年4月4日 18時) (
レス) @page49 id: 2742f5c4f0 (このIDを非表示/違反報告)
meeeeen(プロフ) - 最後まで楽しく拝見させていただきました。勿論、彼らは素敵な人でそんなことはしないであろう…でも、想像できます。素敵なお話ありがとうございました！！ (2023年4月4日 11時) (レス) @page50 id: f8e174bf81 (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - ゆきさん» ゆき様〜！いつも温かいコメありがとうございます😭あまり反応が無くて悲しくなってたんですが、一気に全部吹き飛びました😂これからも頑張れます…！ほんとにほんとに凄く嬉しいです！！これからも宜しくお願いします♡ (2023年4月2日 10時) (レス) id: 2742f5c4f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - kae様、いつも刺さりまくるお話ありがとうございます！ ダークなスノさん最高でした🥹 またお話たのしみにしておりすます！ (2023年4月2日 8時) (レス) @page50 id: 6c8365d1f8 (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - まーたんさん» まーたん様、コメありがとうございます😭のんびり更新とはなりますが今後ともお付き合いください💦 (2023年1月4日 15時) (レス) id: 0d3898dd38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kae
| 作成日時：2022年12月5日 0時
