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月明かりに照らされた彼は当時より遥かに大人の男性になっているけれど、不思議なほど異様な雰囲気を感じた。以前のように明るくて優しいあの笑顔ではなくて、なんだか魂が抜けたような微笑み。私の隣に座るこのメイドと同じ気がする。そんな時に敷地に大きな音が鳴り響いた
『これは、南門の鐘…！』
「…Aha、無理矢理行くしかねぇかぁ」
『ジェシー待って！このまま進んだら門に激突してしまう！貴方が危ないわ』
「へへ、俺はどーでもいいんだよ？少しでも衝撃で穴が空いてそこからAを救い出せるならそれで」
『っ、何を言ってるの！そんな事絶対にダメ！』
「大丈夫。その隣のメイドが命懸けで守ってくれるから安心して？hehe…」
私の叫びはまるで彼に届いていないようで、黙々と馬に鞭を打ち付ける。隣のメイドも私を庇うように抱きしめるけれど、不安な顔は一切しなくてこの状況をただ傍観しているようにみえる。馬車のスピードはどんどん上がって、揺れる身体を保つだけで必死だ。本当にこのまま進んでいけば確実に彼は…いやそれどころかこの馬車ごと吹き飛んでしまう
『っ、どうしよう…！もう時間が、』
もののあと10秒ほどで門にぶつかると覚悟を決めた時。
「これでもくらえええーーーー！」
聞き覚えのある声が聞こえたら、バコーン！と馬車の車につっかえ棒のようなものが勢いよく刺さった。同時に、馬をつなげていたロープが鮮やかに全て切り刻まれて、驚いた馬たちは各方へバタバタと逃げ出す。そうなれば人間たちの乗る車の部分は勢いを無くして、その場にガシャン！と崩れ落ちた
『っ、きゃ！』
「よかったー！間に合ったねー？」
『！っ、さっくん！』
衝撃が来ると覚悟した瞬間には佐久間の腕の中で、馬車から離れた芝生の上にいた
「にひ、Aちゃん相変わらず身体軽いんだからぁ」
いつもの明るい声と温もりに緊張感が一気に落ち着いて、思わず涙ぐんで彼の身体にしがみつく。それを「えー何それ可愛いー！」なんて言ってぎゅう、と抱きしめ返してくれる佐久間は大層嬉しそうだ
『っ、助けてくれてありがとう…！』
「えへへ、お易い御用だよーん。あぁ、ゆっくりこのままいちゃいちゃしてたいんだけどー。なんだか物騒な人いるからさ？また今度ご褒美頂戴ね？ひひ」
彼は「ここで待っててねー？」と微笑んで振り返った先には大破した馬車。
「さーこっからが本番かなー？なぁ…イカレ野郎、来いよ。俺っちが相手だ、にひ」
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kae(プロフ) - ひよこごはん(赤月 アズ)さん» ひよこごはん様〜！再度のコメントありがとうございます🫶🏻う、嬉しい…力強いメッセージでエネルギー分けていただきました！！のんびりな私を今後ともよろしくお願いします✨ (2022年11月3日 7時) (
レス) id: 3dfc085b7d (このIDを非表示/違反報告)
ひよこごはん(赤月 アズ)(プロフ) - 2章完結おめでとうございます!!!作者様のペースで頑張ってください!完結までついていきます!!!! (2022年11月3日 1時) (レス) @page50 id: 339e8970fe (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - のんさん» のん様、日頃より優しいお言葉をありがとうございます😭ほんっっとうに励みになります……これからもお付き合いいただければ幸いです😭 (2022年11月3日 0時) (レス) id: 3dfc085b7d (このIDを非表示/違反報告)
のん - お久しぶりです！のんです。2章完結おめでとうございます🎉これからも応援してますのでゆっくりで大丈夫ですので執筆活動頑張ってください😊 (2022年11月2日 23時) (レス) @page50 id: 826efce59b (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - たぬさん» たぬ様、嬉しいコメントありがとうございます！自己満の配役も喜んでいただけて感激です😢お気遣いまでいただいて優しさに甘えます。笑 なかなかの亀更新ですがお付き合いいただけると幸いです♡ (2022年9月30日 20時) (レス) id: 3dfc085b7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kae
| 作成日時：2022年6月15日 23時
