◊*゚50 Pink ページ1
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別にあの"翔太"って人を助けたいなんて思ってなかった。Aちゃんと堂々昼間から街をデートするなんて俺には出来ないことだし、羨ましいって、ずるいって思って。嫉妬の対象がどうなったところでライバルが減るだけ。そう思ってたのに、ベランダでひとり涙を浮かべて悲しむ彼女を見て…単に耐えられなくなった。この世からAを苦しめる物は全て消し去りたい。それが俺の生きる意味だから
「寝顔も天使だなぁ、にゃは」
Aちゃんをキスで寝かしつけたのは、しばらく眠れていない彼女に休息を与えたかったから。ゆっくりベッドに寝かせて唇にまたひとつキスを落としてから、テラスに足をかけてダイブするとそこに人影を感じた
「よっと、…ん?」
「…初めまして…佐久間さん」
「あー、阿部ちゃんだ」
「ふふ、お互い存在を認識してたみたいですね」
俺の真の名前を知ってる人間なんて殆どいないのに、阿部というここの支配人は笑顔でそれを告げた。元々侮れない奴だと認識していたけれど、俺の存在を知っている上にまさかそこまでとは。まぁいい、Aちゃんを生きがいにするこの屋敷の人間は俺の始末対象になることはないだろう
「Aお嬢様のために、渡辺を救出する作戦に加わっていただけないでしょうか」
「この世で一番恐ろしいって噂の始末屋の俺っちに、そんなお願いしていいのー?お礼にいくら金を要求されても、命を求められても?」
「…それが必要なら用意するしかありません。A様が笑顔になるなら」
「ひひ、さすがだねぇ…話が早い」
「では何をご用意すれば協力していただけますか?」
「……いらねぇよ」
「え?」
「阿部ちゃん。俺はあんたたちと考えが似てるんだ。Aの為なら命も惜しくないんだよねぇ」
「なるほど、ふふ。佐久間さんとは気が合うようですね」
「佐久間でいいよー、阿部ちゃん。よろしくね」
「こちらこそ。この作戦は完璧だから実行さえすれば必ず上手くいく」
「にひひ、心強いなぁ」
「…だから、頼むよ」
「うん、任せて」
たったこれだけの会話で協定を結ぶなんて俺のやり方ではあり得ないこと。でもそれを可能にしてしまうのもまたAの為、それが全て
「さーてと、行きますか」
山王家の使用人はざっと50人。人を人とも思わない者も多いと聞いている
「阿部ちゃんを信じてみるしかねぇな」
人生で初めてAちゃん以外を頼る機会が来るとは。これも彼女が与えてくれた人間らしい経験なのだろう
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kae(プロフ) - ひよこごはん(赤月 アズ)さん» ひよこごはん様〜!再度のコメントありがとうございます🫶🏻う、嬉しい…力強いメッセージでエネルギー分けていただきました!!のんびりな私を今後ともよろしくお願いします✨ (2022年11月3日 7時) (レス) id: 3dfc085b7d (このIDを非表示/違反報告)
ひよこごはん(赤月 アズ)(プロフ) - 2章完結おめでとうございます!!!作者様のペースで頑張ってください!完結までついていきます!!!! (2022年11月3日 1時) (レス) @page50 id: 339e8970fe (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - のんさん» のん様、日頃より優しいお言葉をありがとうございます😭ほんっっとうに励みになります……これからもお付き合いいただければ幸いです😭 (2022年11月3日 0時) (レス) id: 3dfc085b7d (このIDを非表示/違反報告)
のん - お久しぶりです!のんです。2章完結おめでとうございます🎉これからも応援してますのでゆっくりで大丈夫ですので執筆活動頑張ってください😊 (2022年11月2日 23時) (レス) @page50 id: 826efce59b (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - たぬさん» たぬ様、嬉しいコメントありがとうございます!自己満の配役も喜んでいただけて感激です😢お気遣いまでいただいて優しさに甘えます。笑 なかなかの亀更新ですがお付き合いいただけると幸いです♡ (2022年9月30日 20時) (レス) id: 3dfc085b7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kae | 作成日時:2022年6月15日 23時