妹ちゃんの隠しごと 3 ページ16
和也Side
あのあと、
胸をトントンしているうちにぐっすり眠ってしまったAを
そっと家に連れて帰ってきた。
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いくら動かしてもまったく起きる様子はない。
それほど体は無理をしていたということなのか・・・・
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翔「今日A、学校で倒れたんだって?」
和「うん。貧血っぽいから、たぶんそれが原因だと思うけど・・・
なんか無理してマラソンやったらしいんだよね。」
翔「なんで。
今日の朝、体育休むって言ってなかったか?」
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和「そのはずだったんだけど・・・
どうしてもやらなくちゃいけない理由があったのかな・・・」
翔「ただでさえ体育は休みがちだったからね。
みんなと同じことがしたかったんじゃない?」
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和「そうなのかなぁ・・・・
でもAにはちゃんと言っておかないと。
無理してまた倒れたりなんかしたら大変。
今回は運よく頭打たなかったからよかったけどさぁ。
一歩間違えば大けがだよ。」
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翔「まぁそうだな。
今度俺からもちゃんと話しとくよ。」
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なぜ無理にマラソンをしたのか・・・
なぜあんなにも教室に戻りたがったのか・・・
俺の頭の中は疑問だらけだ。
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理由を聞くにも、今の状態じゃどうしようもないし・・・
とにかく今は早く体調を戻してやらないと。
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明日、病院つれてって検査しなきゃなぁ・・・
ヤダって泣かれるんだろうなぁ・・・
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そんな心配をしていた俺だけど、
翌日の朝、Aは予想外の言葉を口にした。
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「・・・・チックンしたら・・・・・がっこういける・・・?」
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“なんでクラクラしたのか、ちょ〜っとチックンして調べようね”
普段こんなことを言えば、返ってくる言葉は必ず
“チックンやだぁーー!!!”か
“びょーいん、いかないっ!!!”なはずだ。
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なのに今日は・・・
「がっこうおやすみヤダーーー!!!」
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・・・・・こんなこと今までなかった。
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元気になったら学校行こうねという俺に対して、
チックン頑張るから、学校に行かせろというA。
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あんなに嫌いな注射を自らやるっていうなんて・・・・
そこまでして学校に行きたい理由はなんなんだ・・・・
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昨日の保健室での出来事といい、今のAはなんだかおかしい・・・・
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革ベルト
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年9月28日 23時
