さとくん、寒い? しょーちゃん、痛い? 11 ページ39
和也Side
智「うえぇ・・ﾋｯｸ・・うっ・・うえ〜ん・・・
・・・ｸﾞｽｯ・・・い・・やだぁ・・ﾋｯｸ・・」
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無理やり腕を出させようとすると大泣き。
優しく説得しようとしても、
怯えた小鹿のような目で“やらないで”って懇願してくる。
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これじゃあ、手が出せないよ。
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もうこうなったら、智にぃが疲れて寝ちゃうまで待つしかないか・・・
そう思って寝かせる態勢に入った時、静かに部屋の扉が開いた。
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潤「ただいま・・・・・智にぃ、どうした?」
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いろいろと買い出しに行ってくれていた潤が、ようやく帰ってきてくれた。
よかった・・・固定役が2人いてくれれば、安全に針がさせる。
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和「点滴しちゃいたいんだけどさ・・・・いい?」
潤「うん、いいよ。
智にぃ、ごめんね。
ほら、和にぃ早く!!」
和「あっ・・・うん。」
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ためらうことなく、智にぃの腕をぎゅっと固定した潤。
あまりにも行動が早くて、ついていけなかったよ。
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和「ちょっとだけ我慢してね〜
はい、チックン・・・・・・」
智「ﾋﾞｸｯ・・・・・・・あっ・・・・・」
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雅にぃと潤が固定してくれているうちに、腕にサッと針を刺すと、
ビクッと震えた智にぃの動きがピタッと止まった。
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ありゃ? なんだ?・・・諦めたのかな?
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智「ふぇ・・ふえぇぇぇん」
そんなわけないか。
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声が出せなくなるほど怖かったんだね。
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普段智にぃが注射で泣くことなんてないから、なんだか変な気分だよ。
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和「ごめんね、智にぃ。
痛かったね。
もうおしまいだから、そろそろ寝・・・・・って、もう寝てるか。」
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涙で顔をぬらした智にぃが眠ってしまうまでは、本当に一瞬だった。
いっぱい泣いて、疲れちゃったね。
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たくさん寝て、早く熱下げないとね。
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雅「やっと2人とも寝てくれたね。
ここは俺がみてるからさ、和と潤は休んできなよ。
Aが一人で待ってるからさ。
きっと寂しがってるよ〜」
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そうだ、ここに俺ら5人そろってるってことは、
Aを一人にしてるってことだよね。
早く行ってやらなきゃ!!
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年9月28日 23時
