直腸鏡×和にぃ 2 ページ10
智Side
智「はいはい、終わりだよ。
指抜くからね〜・・・・・・」
素早く触診を終えてスッと指を引き抜くと、
和はすぐにベッドから起き上がってしまった。
まだやりたいことあるんだけどなぁ。
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智「かず、まだ横になってないとダメだよ?」
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“なんでぇ?” “どうして?”と今にも泣きそうな顔で聞いてくる和。
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僕が和に追加の検査を行うことを説明すると、
睨みつけるような、でも怯えたような、
何とも言えない目つきで僕をみつめてきた。
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今僕は完全に裏切り者だからね。
和に怒られても、嫌われてもしょうがない。
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恨まれたっていいから、
そのかわり、和の身体は僕に守らせてよ。
ね、和。病気じゃないってこと、証明させて。
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和の目を捕えたまま本気の表情で説得し続けると、
すごく小さく首を縦に振ってくれた。
和も僕の勢いに負けたって感じ。
ちょっと無理やりだったかな。ごめんね。
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智「じゃあ入れるよ〜?
はい、ふぅ〜って息はいて〜?」
和「んっ・・・・ﾊｧｯ・・・ふぅ・・」
智「よ〜し、うまい。上手だよ〜。
もう一回ふぅ〜ってできるかな?」
和「ふぅ・・・・・っんん!!!」
腰を引いて逃げようとする和を軽く押さえながら、
呼吸に合わせて直腸鏡を挿入していった。
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智「ごめんね〜、ちょっと我慢してね。」
ライトで照らして中を慎重に診ていく。
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ん〜・・ちょっと赤くなってるところがあるね・・・
さっき痛かったのはここかな?
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智「ちょっと待っててね〜、今診てるからね〜」
和「あっ・・・・んんっ・・・」
和の体がプルプルしてきた・・・
もう限界だな・・・
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智「よし、頑張った頑張った。
もうおしまいだからね。」
抜くときに大きくビクッと跳ねた体をそっと擦る。
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泣かなかったね、和。
動かないで頑張れたね。
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自分の服をぎゅっと握りしめながら、
必死で耐えてくれた和をみて、僕も自然と笑みがこぼれた。
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和「ん・・・・うぅ・・・・」
僕はいまだに緊張から解けていない和の頬を
今度は両手でムギュムギュとしてやった。
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和「むぅ・・・・いはいよぉ。」
智「ふふ^^ やっと笑ったぁ。
和、おうち帰ろっか?」
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ようやく安堵の表情を見せてくれた和の頭を撫でて、
すべての検査を終えた僕らは家路についた。
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革ベルト
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年8月24日 1時
