病院脱走!! 9 (和) ページ42
智Side
うまく息が吸い込めなくなるくらい、
僕は体力の限界まで走り続けていた。
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もう、探すところはすべて探した。
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智「かず・・・・どこなの・・・」
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どこかで倒れていたら・・・・
そう思うと、疲労で重くなった脚も、自然と動き出していた。
ここまで探して、なんでみつからないんだ・・・
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智「くそっ・・・・・・」
焦りばかりで何もできない自分に苛立ちながらも、
辺りに人の気配がないか神経を研ぎ澄ませる。
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智「ん・・・・・・・・?」
遠くから和の声が聞こえたような・・・
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息を止め、目を閉じて耳を澄ませると、今度ははっきりと聞こえた。
和の、助けを求める声が、やっと僕の耳に届いてくれた。
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智「かず!!!」
声の方に無我夢中で走っていくと、
地面に倒れこむようにして激しく咳き込む和をみつけた。
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智「大丈夫!? 苦しいの?
・・・・・・熱、上がってるね・・・・・・。」
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和の首元に手を触れると、異常な熱さが伝わってきた。
僕は白衣を脱いで和の肩にかけてあげると、すぐに翔に電話をかけた。
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智「かず、もうちょっと頑張って!!
すぐに翔が迎えに来てくれるからね。」
和「ﾊｧﾊｧ・・さとに・・ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ・・なんで・・・」
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智「ごめん和・・・ごめんね・・・
苦しい思いさせちゃって・・・・
僕、和のこと・・・・・・・か、かず?
・・・かず!!! かず、しっかりして!!!」
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抱え込んだ和の体が一気に重くなったと思ったら、
和はそのまま意識を失ってしまった。
僕の呼びかけにもまったく反応がない。
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早く、今すぐにでも病院に連れて行かなくちゃ・・・
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翔「智にぃ!! 和は!?」
智「意識レベル下がってる。
とにかく急いで病院戻ろう。」
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かず・・・一人で苦しいのに耐えてたんだね。
怖かったよね・・・
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すぐ楽にしてあげる。
すぐ治してあげるから・・・
ラッキーアイテム
革ベルト
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年8月24日 1時
