病院脱走!! 4 (和) ページ37
智Side
採血とX線検査の結果、和は入院することになった。
予想外に肺炎がひどくなちゃってたから、念のためね。
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入院が大っ嫌いな和はもちろん拒否してきたけど、
僕も医者としてここは引き下がれない。
ここにいてくれれば何かあった時にすぐ処置ができるし、安心なんだ。
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智「大丈夫、夜はずっとここにいてあげるから。
それなら寂しくないよね?」
病室に移ってからも諦めがつかないような顔をしている和に、
そっと布団をかけながらそう言ってやった。
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“・・・・絶対ね”
布団の上からポンポンとお腹をたたいてニコッとした僕に、
和が発した小さな声。
も〜、小さすぎて僕じゃなきゃ聞き取れなかったぞ〜(笑)
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智「うん、絶対ね。
和が寝てからもずっといるから。約束。」
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コクンとうなづいた和にホッと胸を撫で下ろすと、
僕は薬を持ちに行くためにドアの方に体を向けた。
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和「さとに・・・・・・・・・」
智「ふふ。すぐに戻ってくるよ。」
一度和の方に向きなおして“待っててね”と言うと、
背中に和の視線を感じながら病室をでた。
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やっぱ入院って相当不安なんだろうね。
1日2日で退院できるわけじゃないし、
早く慣れてくれるといいんだけど・・・
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どうしよう、和が一人になるのを許してくれなかったら。
そうしたら僕、仕事できないよね。
今まで入院した時は、
次の日くらいから病室に一人でも頑張ってくれてたけど、今回はどうだろ・・・
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まぁ心配したってしょうがないか。
今日一日でできるだけ安心させてやって、
不安を取り除いてあげるしかないな。
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そんなことを考えながら点滴セットを準備して和のもとに戻ると、
和は僕の持っているものを見てハッという顔をした。
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智「和が元気になるもの持ってきたよ。」
和「・・・・・・・・・・・いらない。」
智「いらない?
早くおうち帰るためのお薬なんだけどなぁ〜
ほんとにいらないの?」
和「んん・・・・・・・」
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おっ、考えてる、考えてる(笑)
もう一押しかな。
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智「Aが和にぃ大丈夫かな〜って言ってたよ。
早くおうち帰って元気な顔みせてあげなきゃね。」
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そう言うと、和はしばらくして無言で腕を差し出してくれた。
目をぎゅっとつぶって顔を背けながらだけどね。
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やっぱA効果は絶大だなぁ。
ラッキーアイテム
革ベルト
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年8月24日 1時
