病院脱走!! 3 (和) ページ36
智Side
ヤダヤダ言っていた和は、
ある条件をだしたらようやく首を縦に振ってくれた。
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“痛くしないよ。絶対。”
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こんな約束しちゃったけど、
いくら頑張ってもまったくの無痛は厳しいよねぇ。
ちょっとチクッてするくらいなら許してくれるかなぁ・・・
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こうなったらやってみるしかない!!
ここは僕の腕の見せ所ってわけだ。
よ〜し、頑張るぞ!!
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智「かず〜、ここに腕だして〜?」
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患者さん用の丸椅子に座った和は、下を向いたまま動かない。
もう座ってるのもしんどいくらい体は弱っちゃってるから、
早く終わりにして寝かしてやりたいんだけど・・・
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翔「ほら和、俺のほう向きな?」
和の隣に立った翔が、和の顔を自分の方に抱き寄せた。
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翔「よしよし・・・・大丈夫、大丈夫。」
頭をポンポンとされながら、
翔のお腹のあたりに顔をうずめている和。
こういう光景よく見るよね・・・
小さい子の予防接種の時とかさ(笑)
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和はうーうー言ってるけど、今のところおとなしくしてくれてる。
きっと頑張ろうとしてくれてるんだろうね。
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智「かず〜、翔のお腹ポヨポヨしてない?」
翔「は!? 俺まだ腹筋ムキムキだって(笑)」
智「え〜、そろそろお肉ついてきたんじゃないの?(笑)」
翔「そんなことないよなぁ、かず。
智にぃに言ってやって?」
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和「・・・・・・・ポヨ・・・ポヨ・・」
翔「なっ・・・・・・・」
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智「はい翔、残念でした〜(笑)」
翔「ちょっと待って!!
かず、ほんとに? ねぇ、マジでいってる?」
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和「・・・・・・・・・・うそ・・・」
翔「嘘?・・・・・・・このやろー、和。
こんなときに冗談言いやがって(笑)」
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智「ふふっ。
ほーら、チックンおしまい。大丈夫だったでしょ?」
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翔が和の頭をワシャワシャやってるときに針刺しちゃった。
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和はキョトンとした顔で翔を見上げてる。
何が起こったのか、わかってないのかな?
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翔「もう終わったって。
よかったなぁ〜。痛くなかったね。」
和「ぅ・・・・・・ぅっ・・・・・ふぇ・・」
翔「なんで泣くんだよぉ(笑)
怖かったの? 我慢してたんだ。」
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相変わらず、翔のお腹に顔を寄せながらコクコク頷いている和。
大泣きの泣き虫さんよりは、甘えんぼさんの方が助かるよ。
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革ベルト
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年8月24日 1時
