中耳炎 2 ページ13
雅紀Side
雅「よいしょ・・・・・ふぅ〜・・」
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ソファーで寝ているAを抱き上げてベッドまで連れて行き、
起こさないようにゆっくりと下ろした。
今のうちに熱でも測っちゃおうかな・・・
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ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ
智にぃのぬくもりに包まれて安心しきった状態で眠ったAは熟睡していて、
俺が熱を測っても起きることはなかった。
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熱は38℃まではいかないがそれに近いくらい発熱していて、
これからどこまで上がるのか、まったく予想ができない。
Aの場合、微熱程度で治ってくれることもあれば、
普通の風邪でも一気に高熱まで上がることもある。
油断してると悪化してしまうこともしばしばで、
軽い風邪だなんて気を抜いてはいられないんだ。
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“ただいま〜”
いいタイミングで翔にぃが夜勤から帰ってきた。
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翔「おっ、雅紀。
Aが熱出したんだって?」
雅「うん。知ってたんだ。」
翔「智にぃから電話もらってたからね。
帰ったら診てやってくれって。」
時間ないなか、そんなことまでしてくれてたんだ・・・
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翔「で、Aの熱は?」
雅「さっき測ったら7度8分だったけど。
まだ上がるかなぁ・・・」
翔「ん〜・・・どうかなぁ。
ちょうど寝てくれてるし、軽く診とこうか。」
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そういった翔にぃの手には、すでに聴診器が握られていた。
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服の隙間から翔にぃの手が入り、胸にそっと聴診器が当てられる。
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「んぅ・・・・・・んん・・・・・・」
翔「よしよし・・・・いい子だ。」
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起きちゃうかな・・・・と思ったけど、
翔にぃが優しく頭を撫でてやると、またすぐに静かになった。
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ゆっくり横向きにさせて背中の聴診も終えると、
翔にぃにペンライトを渡された。
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雅「これ・・・・どうするの?」
翔「俺両手ふさがっちゃうからさ、
それでAの口の中照らしてくれる?」
雅「あぁ、はいはい。」
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翔にぃはAの頭をポンポンとしながらベッドの横にしゃがみこむと、
優しく顎に手をかけて、ゆっくりゆっくり口を開けさせていった。
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翔「よし・・・・雅紀、ライト。」
ほんの少しだけ開いたAの小さな口。
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こんなんで見えるのかと思ったけど、
翔にぃは器用に舌圧子をすべりこませて、俺が照らした口の中を真剣な表情で覗き込んでいた。
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革ベルト
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作者名：ちさ
| 作成日時：2012年8月24日 1時
