レイニー・シャイニー・リリー【K.N】 (ページ8)

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８＊愛の雨ページ8

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二宮さんに、潤のことを話してから数週間が経った今日。

ある懐かしい友人からメールを受けた。

「…咲ちゃん？」

それは、高校時代の同級生で、…潤の幼馴染だった。

潤から相談を受けたりもしていたらしく、付き合いだしてからたまに３人でご飯に行ったりもしていた。

潤と別れてからパッタリ会わなくなってしまっていたけど、何故急に連絡をしてきたのか。

私には、分からなかった。

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「Aちゃん、久しぶり。元気だった？」

「うん！咲ちゃんも。久しぶりすぎて緊張しちゃうよ～(笑)」

「ホントだねー。何年ぶりだろう？……やめよう、数えてると自分の歳を考えてしまう」

久しぶりに会った咲ちゃんは何も変わっていなくて。明るくて笑顔が素敵な、あの頃の咲ちゃんのままだった。

「…あの、ね。薄々分かってるとは思うんだけど。…今日は、Aちゃんに話があって来たの」

それまでの空気とは一変して、顔を緊張させて話を切り出した咲ちゃん。

「…うん。なに？」

咲ちゃんは、一度息を少しだけ吸ってから、意を決したようにその言葉を口にした。

「…潤の、ことなんだけど」

「……潤？」

あの雨の日、私は潤に別れを告げられた。

あの日から、雨が嫌いになった。

あの雨の中、一人泣きながら走って。

ずぶ濡れになって帰った。

「私ね、今日は潤に内緒でここに来たの。…本当は、Aちゃんには言うなって、ずっと言われてたんだけど…」

捨てられた。

…そう、思っていた。

あの日、これ以上ないくらいに泣いた。

「…私、今の潤を放っておけなくて…っ、潤を助けられるのはやっぱりAちゃんだけだって思うから…」

何も、分かっていなかった。

あの雨の日、きっと潤は、私よりも泣いていた。

「潤が、Aちゃんに別れを告げた本当の理由。…それはね、潤が、誰よりもAちゃんを愛していたから」

…そして、今もきっと。

「…先週ね、潤のお母さんが、……亡くなったの」

きっと、…一人で泣いている。