レイニー・シャイニー・リリー【K.N】 (ページ4)

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大きな公園の中を二宮さんと手を繋いだまま少しだけ歩いて。

お腹空いたよね、という二宮さんの言葉を合図に、一面芝生に覆われた広い広場にやってきた。

「Aちゃんの手料理ー♪」

繋がれたその手をブンブンと振って、鼻歌を歌いながらニコニコしている二宮さんを見て、私も笑みが溢れた。

レジャーシートを敷いて２人で座り、その上に今朝張り切って作ってきた２人分のお弁当箱を取り出す。

「わ！美味そう！！」

その蓋を開ければ、二宮さんが嬉しそうに笑ってくれる。

「いただきます」「いただきます」

２人で声を合わせてから、二宮さんがお弁当箱の中から卵焼きを箸で挟み口に運んだ。

味見はしたし、料理は得意な方だから大丈夫だと思うけど…、口に合うかな…。

ドキドキしながら二宮さんの反応を窺っていると、その目を細めて、

「ん。美味い！」

と、笑う。

…よかった。

「ほら、Aちゃんも早く食べなよ！美味しいよ！食べないなら俺が食べるよー？」

「だっ、ダメです！私、ご飯は３食ちゃんと食べたい派なんで！」

「くくっ…、何の報告だよ…っ、くっ…ふふ。」

「わ、笑わないでください！！」

「ごめん、ごめん(笑)」

付き合い出してから１ヶ月。

初めて私の手料理を食べてくれた。

美味しいと喜んでくれた。

それだけのことだけど、私にとっては本当に幸せなことだった。

ご飯を食べながらお話をして。

その後レジャーシートの上に２人で寝転がってお昼寝をして。

大好きな人と過ごす時間は、あっという間に過ぎていく。

「夕飯はどこかで食べて帰ろっか。」

「そうですね。」

そうして、また二宮さんと手を繋いで公園の中を通りに向かって歩いている途中。

聞き覚えのあるその声に呼び止められた。

「…A？」

忘れもしない、その声。

振り返ると、そこには久しぶりに見る顔。

「……潤。」

潤は、…かつて私が大好きだった人。

私が雨を嫌いになった、本当の理由…。