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「雅紀との会話は、ひらがなの50音表と瞬きの回数でするんだ。…雅紀、言ったんだよ。カズは無事？って。」
「…嘘。」
「無事だよ、ちゃんと前向いて歩き始めたよって言ったら、アイツまだうまく表情作れないのに…、その時だけは確かに笑ったんだよ。な、松本。」
「うん。」
翔さんのその言葉に、潤くんのその笑顔に、俺は涙が止まらなかった。
潤くんが、真っ直ぐ見つめてくる。
「雅紀の身体が自由効くようになるまではかなり時間かかると思う。…でも、たぶん言うほど雅紀はカズに撃たれたこと気にしてないと思うんだ。」
「…っ、」
「カズが前を向いて生きてくれれば、きっとそれだけで雅紀はいいんだよ。…もちろん、俺たちもそう思ってる。」
ずっと孤独に生きて来た。
…そう、思ってた。
でも、俺は確かに愛されていた。
俺の両親にも、相葉さんの父親にも、相葉さんや潤くんに翔さんにも。
両親が死んだ日から、辛くて苦しい日々を送って来たけれど。
それでも、俺は愛されていた。
そして、生かされていた。
自分で愛というものを忘れ、捨て去ろうとしていた俺をその愛で救ってくれた人たち。
最初からずっと俺自身を愛してくれた相葉さんと潤くん。
そして、俺の正体を知っていても俺を赦してくれた翔さん。
偶然出会ったと思っていたけれど、きっと神様が俺に出会わせてくれたんだと思う。
「ありがとう。」
涙と嗚咽でその一言さえも上手く言えなかったけれど。
それでも、潤くんと翔さんは笑顔で頷いてくれた。
来るはずのない幸せな未来を求ていた自分。
これから先の未来では、きっと俺は幸せというものを簡単に手に入れることなどできないだろう。
それでも、俺の未来は決して暗くはない。
大切なこの人たちが生きる世界。
その世界に俺も生きていくのだから。
俺の両親が命を懸けて守ってくれたこの命を。
相葉さんの父親がその遺志を汲んで守ってくれたこの命を。
相葉さんがその手で生かしてくれたこの命を。
目の前の２人が未来へと導いてくれたこの命を。
…全てを懸けて全うしよう。
俺に愛をくれた人たちを、俺も愛しているから。
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壊れた消しゴム - 一瞬で読み終えました。この後カズは40年たって相葉さんと会えてるのかがわからんがいい話でした！これからも出筆ガンバです！ (2017年7月3日 1時) (
レス) id: 376699f6a2 (このIDを非表示/違反報告)
aim(プロフ) - 雪瀬さん» 雪瀬さま、コメントをありがとうございました。この作品を読んでいただけて嬉しいです。本日完結しましたが、雪瀬さんにとって納得のいくラストになっていたら嬉しいです。 (2017年6月12日 9時) (レス) id: ba86f15203 (このIDを非表示/違反報告)
雪瀬 - 一気読みさせていただきました。とても素敵なストーリーで感動しました。これからの５人がどうなるのか・・・続きを心待ちにしています。 (2017年6月2日 20時) (レス) id: d581ee13dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aim | 作成日時：2017年5月28日 20時
