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＊松本side
「もう、何なの？急に帰るとか言って。」
警視庁から帰るその足で、俺は実家に来ていた。
「なぁ、母さんは、雅紀の父親のこと、…どこまで知ってる？」
俺のその言葉に、母さんは言葉を詰まらせた。
「…どうしてそんなこと聞くの？」
…今、聞かなければならない。
雅紀のためにも、…カズのためにも。
「雅紀は、父親が本当はアメリカで生きていたことも知ってる。…20年前のことも。」
「…っ、」
母さんの反応を見て、確信した。
「母さんも、知ってるんだね？20年前に起きた事件のこと。」
尚も口を開かない母さんに、俺は畳み掛けた。
「…二宮って夫婦のことも、知ってるか？」
「……！」
「その二宮って夫婦の一人息子…、雅紀と知り合ってるんだ。もちろん、俺も会ってる。…出会ったのは偶然だし、お互い過去のことは知らなかった。……仲良くしてたんだ。楽しく過ごしてた。」
「…そうなの。」
「…雅紀は、自分の父親がアイツの両親殺したって、知ってる。…知ってんだよ、……20年前に起きたあの事件に、……アイツの両親が殺されたあの事件に、自分の父親が関わってるって知ってんだよ！！」
「違う。」
俺の言葉を遮る、母さんの声。
「違うのよ、潤。…紀人さんは、殺してなんかいないの。」
「…どういうこと？」
母さんは、一つ息を深く吐いてから言葉を続けた。
「教えるわ。…全て。20年前のことも、紀人さんのことも。…雅紀くんのお母さんに聞いたこと全て。」
「…っ、」
「潤、今から私が話すこと、覚悟と責任持ってしっかり聞いて。それから、雅紀くんのお母さんが、雅紀くんに宛てて書いた手紙があるはずだから。それを探すように伝えて欲しい。その手紙には、私が今から話すことが書かれているわ。」
「…わかった。」
そして、母さんから聞かされたその真実。
…警察が辿り着いたと思っていた20年前のそれは、単なる上部だけのものだった。
誰も辿り着けなかった本当の真実。
それを知った時、…俺は涙が溢れた。
こんなにも残酷な世の中だけど。
それでも救いがある世の中なのだ。
20年前の真相。
それは、我が子への愛の記し。
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壊れた消しゴム - 一瞬で読み終えました。この後カズは40年たって相葉さんと会えてるのかがわからんがいい話でした！これからも出筆ガンバです！ (2017年7月3日 1時) (
レス) id: 376699f6a2 (このIDを非表示/違反報告)
aim(プロフ) - 雪瀬さん» 雪瀬さま、コメントをありがとうございました。この作品を読んでいただけて嬉しいです。本日完結しましたが、雪瀬さんにとって納得のいくラストになっていたら嬉しいです。 (2017年6月12日 9時) (レス) id: ba86f15203 (このIDを非表示/違反報告)
雪瀬 - 一気読みさせていただきました。とても素敵なストーリーで感動しました。これからの５人がどうなるのか・・・続きを心待ちにしています。 (2017年6月2日 20時) (レス) id: d581ee13dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aim | 作成日時：2017年5月28日 20時
