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「その犯罪組織に潜入して諜報活動をするために、俺の両親はアメリカに移住した。…そういうことですか？」
「あぁ。その当時既に結婚はしていたらしい。潜入活動の際には、
「…転機？」
「その犯罪組織は、さっきも言った通り当時アメリカを主に拠点としていたんだが、その頃日本にも拠点を置く計画があった。そこで、十数人の組織員が長期に渡る現地調査に派遣された。そのうちの２人が、お前さんの両親だ。」
そう言って、男は何やら資料を探し始める。
「そして日本に移住後、発覚しちまったんだ。…お前さんを身籠っているということにな。」
積まれた資料の中の一つの封筒の中から、一枚の紙を取り出す。
「お前さんの両親は、お前さんを身籠ったことで決心したんだ。…これ、見てみな。」
そう言われて目の前に出されたその資料を見る。
そこには、俺の戸籍データが記されていた。
「…あんた、俺の個人情報勝手に持ち出して…それこそ犯罪なんじゃ、」
「つべこべ言うな。…ほら、ここ見てみろ。」
指さされたその場所を見て、俺は目を疑った。
「…どういうこと……っ、」
父と母の名前が記載されているはずの欄。
…そこには、全く別人の…、知らない名前が連なっていた。
「お前さんの両親は、お前さんを守るために、恐らく情報局に依頼して自分の情報をお前さんの戸籍から消したんだろうな。」
「何でそんなこと…？」
「言っただろう？お前さんを守るためだ。万一諜報員であることが組織にバレて、自分たちの身に何かあったとしても、お前さんにだけはその手が及ばないように。…まぁ、日本でお前さんを授かったことは組織の人間に口外していなかったようだし、組織で本名は使っていなかった訳だが、それでもお前さんの存在を知られてしまったら、それこそお前さんの命はないからな。」
それほどまでに、危険な仕事をしていたのか。
俺が知っている両親の姿からは、全く想像ができなかった。
「そして、…本当にその"万一"が現実になってしまった。」
「…え？」
「バレたんだ。組織幹部の調査によって。お前さんの両親が、諜報員だということが。」
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壊れた消しゴム - 一瞬で読み終えました。この後カズは40年たって相葉さんと会えてるのかがわからんがいい話でした！これからも出筆ガンバです！ (2017年7月3日 1時) (
レス) id: 376699f6a2 (このIDを非表示/違反報告)
aim(プロフ) - 雪瀬さん» 雪瀬さま、コメントをありがとうございました。この作品を読んでいただけて嬉しいです。本日完結しましたが、雪瀬さんにとって納得のいくラストになっていたら嬉しいです。 (2017年6月12日 9時) (レス) id: ba86f15203 (このIDを非表示/違反報告)
雪瀬 - 一気読みさせていただきました。とても素敵なストーリーで感動しました。これからの５人がどうなるのか・・・続きを心待ちにしています。 (2017年6月2日 20時) (レス) id: d581ee13dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aim | 作成日時：2017年5月28日 20時
