月夜に、恋。＊２ (ページ20)

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「うん。…目の見えない俺に初めて世界を見せてくれたのは、翔ちゃんだった。それまでもいろんな人に助けてもらって、一人でもある程度生活できるようにはなっていたけど。……そんな俺が、一人じゃ見られない世界を、言葉でたくさん教えてくれた」

翔くんが、嬉しそうに笑う。

「ニノは、そんな俺にもまだ見えていなかった世界を見せてくれた人だった」

「相葉さん…、」

「いろんなことに後悔があって、…でも、そんな俺に光になりたいって、言ってくれたことが、すごく嬉しくて。…ニノといれば、もっともっと、俺の知らない世界をたくさん見ることができるんじゃないかなって、……思ったんだ」

そんなことを思ってくれていたなんて。

…知らなかった。

「今日もこうして、賑やかな時間を過ごせてるし。…ニノと出会ってから、松潤や大野さんとも出会えたし。俺の人生、ちょっとずつ明るくなってるなって、思うんだよ」

嬉しかった。

俺が、相葉さんの生活の中で少しでも光になれていたことが。

「……うっ、ううっ、、、」

「え、……なに、大野さん泣いてんの？」

「うぇ、……だってぇ、……ニノ、良かったなぁっ、こんないい子と出会えてっ、……」

「えぇ～……？もう、おじさんすぐ泣くんだから」

「うぅっ、……相葉ちゃん、……ニノが変なことしてきたら、すぐ俺に言うんだぞ？俺すぐかけつけるからな？」

大野さんがそんなことを言うもんだから、思わずその腕をつねってやる。

「いででで！」

「俺はそんなことしません。…全く、相葉さんにそういう変なこと吹き込むのやめてよね」

「ふふ、頼もしいです。大野さん、いざとなったら、お願いしますね？」

「え！ちょっと相葉さん！」

慌てる俺に、楽しそうに笑う相葉さん。

翔くんや潤くん、それに大野さんも笑っていて。

相葉さんが中心になって、その笑いが広がっていく空間がとてつもなく幸せで。

……なんだか、泣けてしまった。