月夜に、恋。＊２ (ページ11)

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54*揺るがない想いページ11

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その夜、出張中の翔くんから電話が入って。

そういえば、相葉さんが翔くんに電話をして繋がらなかった、と言っていたと思い出す。

「じゃあ、雅紀は大丈夫なんだな？」

「うん。今相葉さんの家で休んでる」

「そっか。……よかった。着信入ってたから折り返したのに全然出ないから。……何かあったんだと思って焦った」

電話の向こう、ほっ、と息を吐く翔くん。

「ありがとう、ニノ。助かったよ」

安心したような声色の翔くん。

……俺たちのこの関係は、恐らく翔くんには正直に言った方がいいのだろうと思う。

俺の相葉さんへの気持ちはもう知っているし、…生半可や気持ちで相葉さんに近づいたわけではないと、きっと分かってくれているとは思うけど。

ちゃんと自分の言葉で、…相葉さんと一緒に伝えないと。

「翔くん。……こっち戻ってきたらさ。話したいことがあるんだ。……聞いてくれる？」

そう問いかけると、何かを悟ったような空気が流れて。

「…わかった。お互い都合いい日に、飯でも食おう」

「うん。……ありがとう」

翔くんは、きっと大丈夫。

俺が相葉さんを傷つけたりしない限り、温かい目で見守ってくれると思う。

問題は。

【ニノ。今度、ちゃんと話そう。一緒に仕事をする仲間として、聞いておくべきことはあると思う】

送ってもらった後、届いていた潤くんからのメッセージ。

全てを話すべきかどうかは、正直わからないけれど。

一緒に仕事をする仲間で。

そして、大切な友人でもある彼に。

話しておかなければならないことがあると、俺も分かっているから。

【分かった。…明日、ちょっと時間もらえる？】

すぐに既読がついて、了解、との返事。

相葉さんにもちゃんと潤くんを紹介しておいた方がいいとは思うけど、その前に、事情を説明しておくべきだろう。

理解してもらえるかは、分からない。

でも、理解してもらえなくても。理解してくれるまでとことん向き合うと決めている。

相葉さんを守るためなら。

今の俺には、怖いものなんて何一つなかった。