愛してるだけで。1 ページ38
赤side
俺が、ともを壊した。
恋人になれた、あの日、誰より大切にするって決めたのに。
俺だけを見て欲しかった。
二人だけの世界におりたかってん。
そんなわけにいかんこと、知ってたくせに。
ともをがんじがらめに縛りつけて、
不安や恐怖を植え付けて支配して。
最低や・・・
俺、弱いねんな、こんなにも。
けどそれでも、
ともと離れるなんて選択肢、絶対にない。
俺か壊したんなら、俺が治すしかない。
どうしたらええ？
何から始めたら。
焦るばっかりで、どうするべきかも分かれへん。
けど、立ち止まってるわけにいかへん。
手の甲で、ゴシゴシ涙をぬぐった後、
ともの涙もそっと、指先ですくいながら、
無理にでも、笑いかける。
「とも、海行こか」
「海？」
「うん。
ちょうどな、淳太んとこに仕事で行かなあかんねん。
俺の営業車で待っといてくれる？」
「ううん。俺、家帰っとく」
「けど、そしたら、俺に会えるの夜になるよ？」
「それは嫌」
「なら、一緒に行こうや。
安田室長には俺から話すから」
「ん」
営業車のキーを、ともの手に握らせて、
一階のボタンを押す。
下降していく、真四角の箱。
「すぐに準備してくるからな？」
「うん、なるべく早くしてな」
少し不安そうにうなづくと、
ともは、エレベーターを降りてった。
いつか、正気に戻ったら、ともの方が、俺を捨てる。
それが怖いねん。
やからって、このまんまでええわけない・・・
大慌てで準備して、
安田室長の許可も得て、駐車場までダッシュ。
ともは車の助手席で、
乗せっぱなしやった、
社名入りのパーカーを被って縮こまってた。
「・・・とも、お待たせ。寒かったやろ？
エンジンかけといたら良かったのに」
「運転の仕方、あんま覚えてないかも」
「そうか、とも、運転する機会ないもんな」
「うん」
「結婚して家建てたら、車買おうな」
「ほんま？大毅くん、色々連れてってな」
「もちろんやで。
ともも運転してや」
「俺はええの。
大毅くんの運転するとこ見てるのが好き」
エアコン効いてきて、
寒くなくなっても、
ともの横顔は、
パーカーのフードに隠れたまんま。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 457人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
fool(プロフ) - 蒼乃碧さん» 試練の時です〜すぐにhappyな毎日が戻ってくるはず！いつもありがとう〜😍 (2023年2月16日 9時) (
レス) id: 5c064e1f18 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃碧(プロフ) - 共依存(T_T)�陲舛磴鵐札鵐察△覆鵑箸�してあげてください〜(T_T) (2023年2月15日 22時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
fool(プロフ) - Aリスさん» 読み返して頂けるなんて感激です。ちょこちょこ手直ししております😁共依存状態、もっと詳しく書きたかったけど読み手さんの気持ちを考えてサラッとだけにして解決に向かいたいです〜😍二人の行く末を見守ってて下さいね (2023年2月15日 15時) (レス) id: 5c064e1f18 (このIDを非表示/違反報告)
fool(プロフ) - 7129さん» ごめんなさいよ〜🥲今ちょっとざわざわの毎日です。もう少しで雪解けのはず〜🌸赤くんがきっと幸せへと導いてくれると思うので待ってて下さいね〜💕 (2023年2月15日 15時) (レス) @page39 id: 5c064e1f18 (このIDを非表示/違反報告)
Aリス(プロフ) - 共依存してしまう程愛が深い赤緑くん達カップル…幸せになって欲しくて片想い期からラブラブ気を思い出して欲しくて一気に読み返してしまいました❤️💚これからでも遅く無いから幸せになって貰いたいですね🌈 (2023年2月14日 18時) (レス) id: 0f7c566461 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fool
| 作成日時：2022年10月27日 8時
