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あの夜も、今日みたいな月が浮かんでた。





―大介と私は兄妹。

でもお互い惹かれあってしまった。





佐久間「ねえA」

A「何?」

佐久間「好き」

A「私も」

佐久間「にゃはは!も〜かわいいな〜!」





そう言って頭をわしゃわしゃとなでてくれる大介が、大好きだった。

いけない恋だって分かってたけど、それでも止められなかった。





佐久間「俺ら兄妹だからこんな関係ダメじゃん?」

A「だね」

佐久間「だから俺が高校卒業したらさ、一緒に家出よっか」

A「ずっと2人?」

佐久間「そう。俺がAの事守るから」

A「うん!」





そんなことを約束して、秘密の恋をしてた。

大介は高校3年生、私は中学2年生。

若すぎたのかもしれないけど、それでもずっと一緒にいれるって思って、幸せだった。

でも、人生はそんなにうまくいかないもので。





佐久間「そんな、…」

母「ごめんね大介…」





お父さんの会社が倒産してしまったから、資金の支援を求め大介を婿養子にすることにしたらしい。





A「っやだ、行かないで、」

父「もう、決まった事なんだ。あちら側ももう承諾してくれてて…」

A「やだ、」





私は、ただ駄々をこねることしかできなかった。

子どもだから、親には逆らえない。

そんなこと、中2でも十分に分かっていた。





父「来週から行ってもらうから…」

佐久間「…わかった。話はもういい?A、部屋戻ろう」





なんで、泣かずに我慢できるの?

約束したじゃん、なんで置いていこうとするの?





佐久間「Aっ、ううっ…俺、やだよ、行きたくない、」

A「大介、私、」

佐久間「ごめん、ごめんな、でもずっとずっと。Aが好きだよ」





私達は声を殺して泣いた。

どうしようもない感情を、2人して涙に流した。





佐久間「ねえ、いつかさ、また2人でいれることになったら」

A「うん」

佐久間「次こそは2人で幸せになろうね」

A「うん、」

佐久間「泣くなよ〜!最後くらい笑ってくれよ!」





大介は私の大好きだったあの笑顔を残して、高級そうな車に乗り込んだ。





―それから大介とは会えていない。

元気にしているのだろうか。





今でも好きだって言ったら、大介はどんな顔するんだろう。

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雪の王子様 - 青紫さん» あーちゃーん!ありがとう!も〜毎回来てくれるの嬉しい!しっぽはまあ、ねw更新頑張ります^^ (2020年11月14日 17時) (レス) id: b5fea1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
青紫 - 雪ちゃん、見に来たよ!何かしっぽってのが気になるなぁw何か今回のお話すごい好きかも!これからどうなるか楽しみだなぁ。更新頑張ってね! (2020年11月14日 16時) (レス) id: 809193e6e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪の王子様 | 作成日時:2020年11月10日 17時

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