shining star3 (ページ39)

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パート練習中は、指揮者の樹君と２人でどのタイミングで入るかやどこで盛り上げるかの相談。

「楽譜読めないの。書いて。」

なんて甘え声で行ってくる樹君。

「Aに甘えんな。」
「樹、自分で調べな。」

咲と杏奈の樹君の対応にはいつも笑ってしまう。

２人がパート練に行ってしまうと

「ねぇ、北斗ときょもと何かあったでしょ？」
「え？…なんでそう思うの？」
「２人とAちゃん見てれば分かるよ。」

きっと樹君がモテる理由は、さり気なく悩み相談に乗ってくれるところなんだろう。

「で、何があったの？俺の予想から言っていい？」
「予想って何？」
「んなの簡単。２人に好意を寄せられて困ってる。違う？」

持っていた、ペンを思わず落とす。

「はい。ビンゴ。Aちゃん、分かりやすいね。」

久しぶりに見た樹君の悪い顔。

「で、で、Aちゃんはどうするの？」
「あのね…そうです。好意を寄せられてます。なんて言ってないよ。」
「そこはもう知ってるから誤魔化さなくていいって。」
「別に、２人の事は何とも思ってないよ。」
「あ、やっぱこの前の黒髪の男？」
「蓮のこと？」
「あーそんなような名前のやつ。」
「蓮は友達。」
「はって事は北斗ときょもは違うって事だよね？」

なんて人の揚げ足を取って楽しそう。

「なんか、樹君きらーい。」
「え！？なんでよ。冗談でもそんな事言わないで。」
「ふふふ。ウソ。でも、本当に２人とは何も無いから。」

納得いってない表情の樹君。

「じゃあ、１つだけアドバイスね。２人の前でこうやって近くで男と話すと…。」

なんて樹君が顔を近付けてくると

「「樹、近い。」」

綺麗にハモる北斗君と大我。
馬が合わないなんて絶対ウソだ。