旅人と少女とコアメダル。【仮面ライダーオーズ】

それ即ち恋。 ページ22

一度彼の事が気になっていると思ってしまえば、考えるのは彼の事ばかりで。

これが恋と言われれば答えは分からないけれど。

Aは自室の窓脇に置いてある小さな花瓶に目をやる。

そこに入っているのはスターチス。

花冠とは別に、生えていた物を少しだけ持って帰って来た。

スターチスを眺めるだけで、何だか心が温かくなるし、嬉しい。

映司のあの笑顔を思い出すだけで、胸がきゅんと鳴る。

『“恋かどうかなんて悩む時点でそれ即ち恋”』

Aは以前比奈に借りた漫画の主人公が言ったセリフを呟く。

もしこの言葉が本当ならば。

自分の悩みが心からの物ならば。

Aは映司に恋をしている、と言う事になる。

好き、と言う二文字がAの頭の中をグルグルと駆け巡る。

そして胸の中にストン、と落ちて来た。

凄く納得出来る。

事実だって認められる。

つまりAは映司が好きなのだ。

認めてしまえば後は簡単。

この恋を頑張る以外の選択肢は無い。

自覚したばかりだけれど、この気持ちはもう抑えられない。

Aは自室から出て映司の部屋に行く。

ドアをノックすると、小さく返事が返って来た。

『え、映司くん』

映司「Aちゃん。どうしたの？」

『あ、あの………』

もごもごと口を動かすAを、映司は優しく待っていてくれる。

Aは意を決して口を開いた。

『映司くん、今度の週末、私と遊びに行きませんか……………！！！』

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