【ヒロアカ】死して尚。 (ページ2)

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うっとうしい女1【爆豪勝己】ページ2

爆豪side

そいつは、いつもうっとうしかった。

『ねえねえ！！君、ばくごーって言うの！？
私、A！！ばくごーって名前、何かかっこいいね！！！』

爆豪「うるせぇ！！！テメェの名前なんぞ知ったこっちゃねぇ！！
あと、爆豪っつうのは名字だ！！！」

中学ん時、最初の隣の席で。

『えー！！じゃあ、名前教えてよー！！』

爆豪「テメェなんぞに言うか！！！クソが！！」

そう言って、いつも俺の後についてきて。

『じゃあ、どうやったら言ってくれるのさー！』

爆豪「んなもん、クラスの名簿見りゃ良いじゃねぇかよ！！」

『あっ・・！そっかぁ！
う・・・んと・・あっ！あった！！
・・しょうおのれ君・・・？』

少しバカで・・・。

『あっ！！いたいた！！おーい！！ばくごーくーん！！』

・・・とにかく、うっとうしかったが・・。

いつのまにかそんなやつを好きになっちまった。

・・・けど。

『ばくごーくん・・・。私ね・・あと一週間しか生きられないんだって・・・。
お医者さんにそう言われちゃった。』

・・・肺を患ってた。

小さい頃から、ずっとそうらしい。

激しい運動も出来ないし、出来たとしても遅めのランニングを1分。

何とか中学までは通えていたが、もう限界だったらしく、急に悪化したらしい。

病院でその言葉を聞いたとき、目の前が真っ暗になった。

・・・生きれない？コイツが・・・？いつも、元気に馬鹿みたいな行動してはしゃいで、笑ってたコイツが・・・？

俺は、その日から毎日、Aの病室に行った。

もちろん、クラスの奴らもきたが毎日毎日来ていたのは俺だけだった。

Aは、いつも俺が来るといつもの笑顔で

『ヤッホー！ゴホッ、また、来てくれたんだ！！』

そして、苦しそうに出迎えてくれた。

俺は毎日、Aに話をして帰った。

クラス、学校での出来事、テレビの番組、本の話、勉強の話・・。

色んなことを話した。

その度に、Aは

『アッハハ！ゴホッ、それ、面白いねー！』

って言って笑った。

つられて俺も笑った。

胸の微かな痛みを感じながら。