【ヒロアカ】死して尚。 (ページ1)

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遅すぎた想い【緑谷出久】ページ1

緑谷side

ビチャ！

・・・一瞬、時が止まったみたいだった。

目の前が赤に染まる。大好きな彼女の血によって。

まるで、映画のワンシーンみたいに。

『デ・・・ク・・・くん・・・。』

ヒーローの要請を受けた僕達。敵が暴れているところに駆けつけて、彼女が戦っているところに増援に行こうと思ったらこれだ・・・。

すぐに助けようと思った。

・・・けど、怖かった。

一瞬、戸惑ったんだ。

何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何何で何で何で何で何で何で何でで何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で！？！？！？

彼女は、必死になって戦ってた！！！誰よりも僕なんかよりもずっとずっとずっと必死になって戦ってた！！！

彼女の体温が冷たくなっていく。

こんなことをしていてはダメだ！早く、治癒班を呼ばないと！！！

呼ぼうと立ち上がったが、彼女の手がそれを邪魔した。

『もう・・・いい・・・よ？
自分の・・・体のこと・・・だから・・・わかっ・・・ちゃうんだ。
私は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・。』

・・・ダメだ・・・。

『そ、れ・・・に、デク・・・くんも・・・わかってる・・でしょ・・・？表情に・・・出ちゃってる・・・もの・・・。』

・・・ダメだ・・・。

『ハハ・・・。昔から・・・そうだよ・・・ね。出久は・・・表情・・・が顔に出ちゃっ・・・てる・・・んだ・・・。』

・・・やめて・・・。

『あーあ・・・。・・・もっと・・・沢山の・・・こと・・・したかった・・・な。』

ヤダ・・・。

緑谷「諦めないでよ！！！！僕だって、君と一緒に沢山のことしたいよ！？ねぇ！！生きてよ！！！最後・・・まで・・・諦めんなよ・・・！！」

途中から、涙が出てきてもうことばにならなかった・・・。

すると、腕の中の彼女が力なく笑って。

『・・・私ね、出久・・・君に・・・伝えたい・・・言葉が・・・ある・・・の。』

彼女は、僕の耳に近づいて・・・。

『・・・だーいすきっ・・・！！』

そういってほおにキスをした・・・。

僕は、動かなくなった彼女にこう言った。

緑谷「・・・僕もだよ・・・！Aちゃん・・・！」

最後の言葉は、彼女に届いただろうか。