Magic of loveﾟ+ [短編集]

お見通し。* ジェノス ページ2

*



｢Hello everyone！
今日はみんなに
very deliciousなfruitを持ってきたよっ！｣



とある日曜日の昼下がり。





たくさんの果物を抱え、

英語混じりの独特な喋り方で
サイタマさんちのドアを蹴破った。


他人の家みたいに言ってるけど
実は住んでるんですよね！！




サイタマさんの冷ややかな視線が
降り注いできます。




はい、今日はそういうテンションなのです。
普段はこんな喋り方じゃないです。




なんか頭痛いんだよね。
だからこのテンションで紛らわせている。





｢appleとorangeです！｣

サ｢あ、おう
テンションたけーのな｣

ジ｢……｣








なぜかジェノス君だけ
私を真剣な目つきで見ていた






……事は気にせずしゃべり続けた。









頭痛が酷くなってきて
そろそろテンションも下がってきた頃。








気を紛らす第二の作戦として
洗濯をすることにした。








｢……よっ、と｣








最後の一つを干し終えた時
ズキッと頭が痛んで





ぐらりと眩暈(めまい)がした。






ふらっ……








体が後ろに倒れていく。
地面に倒れるな。




そう思った時。






がしゃりと鉄の音がして
甘い匂いが私を鼻腔をくすぐった。









ジ｢……やはり風邪をひいていたか｣

｢わ、ジェノスくん｣

ジ｢体温が熱い。それに咳も出ている
今、眩暈がして倒れかけただろう？｣







淡々と、無表情でそう言った。
少し早口であまりついていけない。



言葉を聞き取るのに必死になっていると
軽々とジェノスくんに姫抱きをされた。



女子の憧れとかいうやつ。




……恥ずかしい。









｢ちょ……！！｣

ジ｢病人はそこのソファで寝ていろ。｣







ぼふっ。
乱暴に投げられたかと思えば




ソファに手をついて
私に顔を近づけて一言。







ジ｢風邪を引いている事が
俺にバレないと思っていたか？

……全部お見通しだ。








あと、無理はするな。｣






ちゅっ。






前髪を冷たい指が上げて
柔らかい唇が、私の額に触れた。









あ、今いい匂いした。









そこで、私は意識を手放した。









______お前の事は､全部お見通し。




*

子供じゃない！*霊幻新隆 [桜様ﾘｸ]→←思春期､とろけて。 * モブ

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