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29 言わないで ページ47

〜由香side〜




「もしもし!?A!もしもし!!」







電話口からはAの泣き声と叫び声が

混ざったような声が聞こえてきた。

ただ事ではないと思い、

私は急いで外に出てタクシーを捕まえた。






「○○まで!急ぎでお願いします!」






直感的にAは家にいると思い、

その場所を運転手さんに伝えた。

運転手さんは私の様子を察したのか

スピードを出して向かってくれた。






「(ここやな!)」






目的の場所に到着すると

私はすぐに部屋に向かった。

1度チャイムを鳴らすが応答はない。






「A!私!由香!」






ドア越しに話しかけても、応答はない。

試しにドアノブを捻ってみるが、

鍵がかかっている。

扉に耳をつけて、澄ましていると

中からは女の人のすすり泣く声が聞こえた。






「どうしました?」






すると、横から優しい面持ちをした

老人が怪しそうに私を見てきた。






「あの!大家さん居ますか!?」

「私が大家ですが...」

「私!A...金橋さんの友だちなんですけど、
なんかあったみたいなんです!ここ開けてください!!」






そう言うと、大家さんは慌てた様子で

鍵を開けてくれた。

急いで扉を開けると、廊下には

泣いているAが座り込んでいた。






「A!」

「ゆっちゃん?...ゆっちゃん!どこ...!?」






私は違和感を感じた。

Aは、手を伸ばして闇雲に私を探している。

私は今目の前に居るのに。






「A!ここや!」

「っ!...ゆっちゃん...どうしよう私っ...」

「落ち着いて。何があったんや?」







手を握りながら、背中をさするが

Aの瞳からはポロポロと

涙がこぼれるばかり。






「見えないの...っ何も...」

「.....え」

「ゆっちゃんの顔も...何も見えない...っ」






Aの目は、相変わらずどこを

見ているか分からないが恐怖で怯えていた。

とりあえず、私に出来ることをしなきゃ。






「!侑に電話するわ」

「ダメ!言わないで!」

「...え?」

「お願いやから...それだけはやめて...」






痛いくらいに手を握るAは

本当にそれを拒絶していた。

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黎子(プロフ) - 夕さん» わお、本当ですか!?何回も読んでいただけているなんて嬉しいです!コメントありがとうございます! (2018年4月6日 7時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 夢主ちゃんと侑のやりとりが おもしろくて何回も読んじゃいます! (2018年4月5日 22時) (レス) id: 29f94e2bfb (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - カルタさん» 1作目から見てくれているんですね!嬉しいです!ありがとうございます!これからも頑張ります! (2018年3月31日 6時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - 「私と彼」「私とあいつ」からずっと好きです!応援してます! (2018年3月31日 1時) (レス) id: 0f60c90d51 (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - じゅりさん» 私も誤字脱字をやりまくる常習犯です…最高!?本当に!?とても嬉しいですありがとうございます!これからも頑張ります! (2018年3月26日 6時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黎子 | 作成日時:2018年3月22日 22時

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