子どもと彼 ページ30
しばらく経って、侑が強化合宿から
無事に帰ってきた。
大量の洗濯物を片付けて、
ほっと息を付いているとメッセージが
届いているのに気付いた。
｢(ん？画像が送られてきてる)｣
ゆっちゃん生まれましたー!
そのメッセージと共に送られてきていたのは、
病院のベッドで赤ちゃんを抱っこしている
笑顔のゆっちゃんが写っていた。
｢侑！見てこれ！｣
｢由香やん。え、赤ちゃんおる。｣
｢生まれたんやって！｣
｢誰の子？｣
｢ゆっちゃんの｣
｢ええ？合成ちゃうん？｣
｢なんてことを｣
明日あたり、お祝い持って病院いこ。
・
・
・
｢えっとー、産婦人科...｣
｢あ、5階やって。｣
空きの時間を見つけて、
ゆっちゃんが入院している病室に向かう。
何を送ろうか迷ったが、
無難なところでフルーツの盛り合わせを選んだ。
病室の扉をノックすると、
｢はーい｣と間延びした声が聞こえた。
｢出産おめでとーう！｣
｢あはは！2人して来てくれたんや！｣
｢これ、お祝い。食べてね｣
｢わおフルーツやん！美味しそー！｣
喜んでくれたようだ。
空いているスペースにフルーツを置いて、
すぐに眠ってる赤ちゃんを見る。
｢A、そんな近寄ったら起きてまうで？｣
｢あはは！大丈夫やって、爆睡してるから｣
｢そんなもんか？｣
｢それに、あんたの声はAに聞こえてないみたいやで？｣
可愛い。
可愛いの言葉に尽きる。
生まれた時ってこんなに小さいのか。
こんな近くで初めて赤ちゃんを見た私は
興奮を隠せなかった。
｢やっぱり、指握るん？｣
｢やってみ｣
恐る恐る小さな手に人差し指を
入れてみると、力は弱いがギュッと握られる。
｢うわすごい！ほんまにやるんや！｣
｢テンション上がるやろ？｣
｢めっちゃ上がる。写真撮ってええ？｣
｢あは、人気者やなぁ、翔は。｣
翔(しょう)。
そうか、この子は翔くんて言うのか。
｢もう名前付けたんやね｣
｢旦那が張り切って考えてた。｣
｢ええ名前やねぇ、翔くん｣
｢のびのび育って欲しいなぁって｣
なんとなくゆっちゃんの顔を見たら、
私の知っている表情ではなかった。
どう言えばいいか分からないが、
母親の顔と言うのがしっくり来る。
｢可愛ええなぁ赤ちゃんて。ねえ、侑？｣
｢ほんまやなぁ、手ちっちゃいわ。｣
そういう侑も、テンションが上がっていた。
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黎子(プロフ) - 夕さん» わお、本当ですか！？何回も読んでいただけているなんて嬉しいです！コメントありがとうございます！ (2018年4月6日 7時) (
レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
夕(プロフ) - 夢主ちゃんと侑のやりとりが おもしろくて何回も読んじゃいます！ (2018年4月5日 22時) (レス) id: 29f94e2bfb (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - カルタさん» 1作目から見てくれているんですね！嬉しいです！ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2018年3月31日 6時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - 「私と彼」「私とあいつ」からずっと好きです！応援してます！ (2018年3月31日 1時) (レス) id: 0f60c90d51 (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - じゅりさん» 私も誤字脱字をやりまくる常習犯です…最高！？本当に！？とても嬉しいですありがとうございます！これからも頑張ります！ (2018年3月26日 6時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黎子 | 作成日時：2018年3月22日 22時
