嘘と彼女 2 ページ27
過去のことを思い出していると、
ソファの後ろから彼女が抱きついて来た。
これもまたレアだ。SSR。
｢どうしたー？｣
｢んー？んふふ｣
｢なんやねん｣
手を俺の首元に回しながらずっと笑っている。
これは何か企んでいるな。
今はあえて何も言わないでおこう。
｢筋肉すごい｣
｢そりゃスポーツしてるからな｣
｢胸筋とか...うお！｣
｢どうや｣
｢私より胸あるんちゃう？｣
｢確実にお前の方がでかいやろ｣
・
・
・
しかし、いつまで経ってもこいつは
何も言い出してこない。
まさか、エイプリルフールを忘れている？
｢(俺の緊張を返せ)｣
無駄に緊張していた自分が馬鹿に思え、
横になってスマホをいじくる。
すると、さっきとは反対に真面目な表情で
Aが近寄ってきた。
｢スマホ置いて｣
｢えー？｣
｢真面目な話するから｣
体を起こしてスマホを置き、
地べたに座っている彼女の方を向く。
｢別れよう｣
なるほど、今年はそうきましたか。
もう昔のような純粋な反応はしない。
そりゃ毎年騙されてれば免疫もつくという話だ。
｢なんか、冷めた｣
嘘やん、さっきまで人の胸触って
楽しんでたやつがよう言うわ。
｢(てか、こいつ俺に冷めること絶対ないやん)｣
｢(まあ、俺もやけど)｣
よく分からない自信があって、
今年の俺は強気に出てみた。
そうだ、俺も嘘をつく。
｢ちょうど良かったわ。｣
｢え？｣
｢俺、前からお前と股かけてた奴おんねん｣
｢え、は、は？｣
適当に嘘をつくとぽかんとする彼女。
あかんわ、その顔。おもろ。
でも、俺がそう思っていられるのは今のうち。
だんだんとAの表情が曇ってきた。
｢やから、俺この家出てくわ｣
本当だと思わせるために、
わざと部屋に行って上着を羽織り
玄関の方に向かう。
｢あ...侑...！｣
｢(あああああ、泣きそうやん)｣
後ろから彼女の足音が聞こえてくる。
俺を追いかけてくる彼女の声は、今にも泣きそうだ。
｢(は、はよネタばらししよ)｣
靴をちゃんと履かずにカカトを踏んだまま、
俺は1度家を出た。
しかし、彼女の声が耳にこびりついて離れない。
｢っていう嘘やねーん！！｣
早く言わなければ取り返しのつかない事になりそうだ。
そう思った俺はすぐに家の扉を開けた。
すると目の前には涙を溜めている彼女が居た。
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黎子(プロフ) - 夕さん» わお、本当ですか！？何回も読んでいただけているなんて嬉しいです！コメントありがとうございます！ (2018年4月6日 7時) (
レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
夕(プロフ) - 夢主ちゃんと侑のやりとりが おもしろくて何回も読んじゃいます！ (2018年4月5日 22時) (レス) id: 29f94e2bfb (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - カルタさん» 1作目から見てくれているんですね！嬉しいです！ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2018年3月31日 6時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - 「私と彼」「私とあいつ」からずっと好きです！応援してます！ (2018年3月31日 1時) (レス) id: 0f60c90d51 (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - じゅりさん» 私も誤字脱字をやりまくる常習犯です…最高！？本当に！？とても嬉しいですありがとうございます！これからも頑張ります！ (2018年3月26日 6時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黎子 | 作成日時：2018年3月22日 22時
