16 好きな奴のは特別 ページ16
首に付けられた所を手で慌てて隠すと
｢恥ずかしがり屋やなぁ｣と、隠していた手を
とられてしまった。
｢お前は？｣
｢え？｣
｢俺に付けてくれへんの？｣
またお前は何を言い出すんだ。
付けてというのは、きっと私の首にも
付いている赤い印のことだ。
｢お前、俺に付けてくれんよな｣
｢まっ、待ってご飯作らな...｣
｢やってるときも、お前俺に付けんやん｣
ぶわっと顔が熱くなった。
行為中にも侑は、私の肩や首にも付けてきていた。
それを思い出しただけでもしんどいのに。
｢待って侑、お願い｣
｢待たへん｣
そう言いながらゆっくりと近付いてくる。
あかんてあかん、頭パンクするって。
必死で胸板を押すが通用しないらしい。
｢ふっ、んんっ｣
突然のキス。
離れたかと思えば、すぐにまた顔を近付けてくる。
シャンプーの匂いと侑の匂いが混ざった香りが
頭をクラクラとさせる。
｢はよ付けんと飯作れんで｣
｢付ける前提なん！？｣
いやおかしいやん。
私一言も付けるなんて言うてへんやん。
は？？？
｢でも付け方分からん｣
｢こうやるんやって｣
今度は鎖骨の近くにチクッとした痛みが走った。
｢ほら｣と言われ侑がもっと近くに来た。
｢無理かも｣
｢はい、ファイトー｣
少し背伸びをしても首には届かず、
せいぜい鎖骨より少し上ぐらいだ。
｢ん、んん｣
よし、付いたんとちゃう？
と、思い見てみるがまったく付いていない。
｢なぜ｣
｢下手っぴやなぁ｣
｢いや、おかしいやん！なんで付かん！？｣
｢はいもう1回｣
嫌々ながらも、もう一度試してみる。
バランス感覚があまり良くない私はよろけてしまう。
しかし、侑の手が腰にきて支えてくる。
｢んん、は｣
｢付いた？｣
｢やっと付いた｣
｢ふっふ、ええ子やなぁ｣
満足そうに笑ったあと、
頭を撫でながら私を抱きしめた。
何をやらせるんやお前は。
｢これが誕プレってことで｣
｢え？｣
｢俺、20歳なった｣
病院で眠っているあいだに侑が誕生日を
迎えていたようだ。
眠っていたから、曜日感覚がズレていたらしい。
｢今度なんか買ってくる｣
｢ええよ、今ので｣
｢やっすい誕プレやな｣
｢安くない｣
真面目な声になったと思えば、
1度体を話される。
｢お前のは安くない｣
｢好きな奴のは特別｣
ほんまに恥ずかしいこと言うなあんたは。
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黎子(プロフ) - 夕さん» わお、本当ですか！？何回も読んでいただけているなんて嬉しいです！コメントありがとうございます！ (2018年4月6日 7時) (
レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
夕(プロフ) - 夢主ちゃんと侑のやりとりが おもしろくて何回も読んじゃいます！ (2018年4月5日 22時) (レス) id: 29f94e2bfb (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - カルタさん» 1作目から見てくれているんですね！嬉しいです！ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2018年3月31日 6時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - 「私と彼」「私とあいつ」からずっと好きです！応援してます！ (2018年3月31日 1時) (レス) id: 0f60c90d51 (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - じゅりさん» 私も誤字脱字をやりまくる常習犯です…最高！？本当に！？とても嬉しいですありがとうございます！これからも頑張ります！ (2018年3月26日 6時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黎子 | 作成日時：2018年3月22日 22時
