【募集企画】IDOL in Grand Cross【本編～日常編】 (ページ24)

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As it is/シキ・シャーロットページ24

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”いやぁ、今日も楽しかったな！そろそろオヤスミの時間かな―――？”

”そうだね、じゃぁこの話題は来週までの宿題で。”

”はぁ？！宿題、あんの？！”

”そ。きちんと“正解”を出しといてくれよ？では！最後はこの曲で―――僕のソロ曲『nothing exactly』―――”

””オヤスミ♪””

前奏を終え、パーソナリティの二人が、甘い声を重ねると同時に、音が加速する。
マイクの電源が切れた事を確認し、シキは大きなため息を零した。

「せめて曲が終わるまで気を抜くなよな？シキ」
「いや、だって―――宿題って何？！俺らは小学生かよ」

頬杖を付く、シキの表情は不服そうに傾いた。

「それは君が“正解”を出さないからだろ？」

共にパーソナリティを務めるラジオ番組“As it is”は、雑談や身近な悩み相談などを気軽に話すトークラジオだ。その中で、メンタリズム(科学的根拠)に基づいたアドバイスを行っており、彼らのファンだけでなく企業経営者からの悩みも多く寄せられていた。

確かに、相談主やリスナーは“正解”を求めているのかもしれない。
だが、“そうじゃない事”が必要な事だってある。相談主にとっての“正解”に応えるのが、メンタリストとしての自分の仕事であり、“応えない”事が“正解”である場合も存在する。

―――ジョエルは、曖昧を嫌う。シキに対し、確固たる“正解”を求めてくる……
　だから“曖昧(それ)”を、彼に伝えるのは難しい―――

「宿題か。ま、そうだな―――考えとく」
「―――ああ」

収録を終えたジョエルは薄い台本を持って立ち上がり、にんまりと悪戯っ子のような表情を向けた。