【リボーン】漆黒の姫君～Ⅶ～ (ページ39)

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♪｡+２月１４日・Happy ValentineⅣ+｡♪ ページ39

「今のは聞き捨てなりませんよ！」

「テメー、いつまでも特別だなんて思ってんじゃねえよ！」

「いくら幼なじみでもずっとその状態のへたれには言われたくないんだけど」

「そもそも俺らはAから呼ばれて来たんだぜ？」

雲雀恭弥に対して言ったはずなのに、なぜかゲームに夢中になってた組まで参戦してきた。
好き勝手なこと言ってくれるじゃないか。

「まーた始まったよ」

「み、みんな落ち着いて…」

奏也とツナが止めようとしているが、そんなもので収まる気配は一切ない。
いや、奏也はただおもしろがってるだけか。

「クフフ…今日という今日は決着つけましょうかね」

「望むところだよ」

「やんのか！？」

「おっ、なんか楽しくなってきたな！」

「…へえ？」

それぞれ殺気出しまくりだし、いつの間にか自分の武器を取り出している者もいる。
そっちがやる気なら仕方ないね。俺だって、好き勝手言わせてやるほど性格よくねえし。

「ひー！ちょっとやめなよ！！」

「いいぞーやれやれー！」

ツナにはちょっとかわいそうだけど、ね。奏也に至ってはもはや煽ってるしね。

『ちょっと、何やってんの？』

今まさに始まろうとしていた戦いを止めた鶴の一声の主は、何を隠そうAだった。

『よく分かんないけど…はい、チョコできたよ』

クロームが腕いっぱいに抱えている中から一人ずつに手渡しているA。
やっぱりこいつらにも作ってたのか……。

胸に感じたかすかなわだかまりに気づかないふりをして、Aからチョコを受け取った。

『…柊』

顔を近づけるようサインがあったので、素直にAに顔を近づけると、他の人には聞こえないよう小声で、俺の耳元でAが話し始めた。

『柊には特別、多めに入れといたから。いつもいろいろ気遣ってくれる感謝の気持ちを込めて、Happy Valentine！』

最後にきめたウインクに俺はもうノックアウト状態で。

「(ヤベー…)」

俺らしくもなく取り乱してしまったけども、他の連中は幸いにも俺には目もくれてなかったので気づかれていなかった。
さっそく袋から取り出してそのできのいいチョコを一口かじってみる。

「……甘い」

チョコレートはまるで今の俺の気持ちを表しているかのようにすごく甘くて、だけども少しだけ苦さもあって。

俺の言葉はその甘い甘いチョコに溶けていった。