【リボーン】漆黒の姫君～Ⅶ～ (ページ17)

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同じ頃ページ17

―――――その闇のような暗さの中で、会話は行われていた。

？１)「ねー、あたしを呼び出しておいて何の用ー？」

最初に聞こえたのは女の声だった。少女のような可愛さ、大人の女性のような艶めかしさ。

どちらにも例えられるような、だけども違うような――――そんな声だった。

？２)「標的(ターゲット)にバレた。“梨々奈”・・・お前が生きてるって。」

たった１つだけある窓から日光が差し込んで、女の顔を照らした。

その顔は何年か前にすでに亡くなったはずの、朝宮梨々奈、その人の顔であった。

いとこであるリア・アルバに似た顔立ち、人を惑わす“魔女”のような赤い瞳――――。

正しく朝宮梨々奈だ。彼女は生きていて、『Rovina』の２人のうちの１人だったのだ。

梨々奈)「標的(ターゲット)？・・・あぁ、神城A。」

彼女が憎々しげに、かつての自分の親友の名前をつぶやいたのを、彼は見逃さなかった。

？２)「ひどい言いようだな。お前の親友だろう？」

梨々奈)「・・・遠い遠い昔のね。今は――――」

彼女の赤い瞳が妖しげに揺れた。

梨々奈)「――――――殺したいほど憎い相手よ。」

？２)「フッ・・そうか。」

梨々奈)「ねぇ、分かってるでしょ？あたしがどんなにAを憎んでいるか。

“一度死んだ”今なら、あたしはAと互角――いや、それ以上の力を持ってる。

どうしてやらせてくれないの!？あたしは早く・・・早く殺してしまいたいのに！！」

窓から差し込んだ光が、彼女の醜く歪んだ顔を照らし出す。

彼はそれを見て、静かに笑う。

？２)「(嗚呼、復讐を誓った人間の顔はなんとも醜く、汚い。愉快だ。)」

窓から差し込んだ光は、彼のところまでは届かない。

彼の顔は暗闇の中に潜んだまま、照らし出される気配もない。

ただ一つ言えること――――――彼は“悪魔”だ。

その声色は優しく穏やかだが、言うこととやることは冷酷無情。

人を殺すことをなんとも思っていない。冷酷無情な人間。

――――――――正に“悪魔”。

梨々奈)「ねぇ、ちょっと。聞いてるの・・・？」

？２)「早く殺してしまったら、お前が味わった苦しみを味わうことなく死んでしまうだろう？

俺がお前を“生き返らせた”とき、お前は自分が味わった倍以上の苦しみを与えたい、と言っただろう？」