幼馴染�� Yoohei ページ2
「え…？あ、この番号洋平のだったの？」
「そーだけど？ってか、俺の番号消したのかよ！」
「あー。機種変した時にバックアップ上手くいかなくてデータ全部消えちゃったからだ」
「おまえ…ほんと、相変わらずな」
そう言って私の額を軽く小突いて笑う洋平。
昔と変わらない態度に安心して触れられた所を手で抑えた。
「そう言えば、なんで洋平ここにいるの？」
「オバサンに聞いたらまだ帰って来てないって言うから駅までお前の事迎えに来てやったんだよ」
店内の壁に掛けてある時計を指す時刻を見れば、午後20時を過ぎていて、私の定時は午後18時。
帰るのを躊躇っていたらこんな時間になってしまったのだ。
まさか本人が私に会いにくるなんて思っても見なかったから。
「番号ちゃんと登録しとけよ？」
そう言って通勤用の鞄を私の手から取って洋平は歩き出す。
慌ててそれについて行けば、洋平は私の歩幅に合わせて歩いてくれた。
「最近凄いよね。どこ行ってもあんた達の曲流れてる」
「お、聴いてくれてんの？」
「まあ、ね」
聴かなくても洋平の声は直ぐに分かる。
私は幼馴染の前に彼に恋をしているから。
そんな事は口が裂けても言えないけど。
なんでこうなる前に気持ちを伝えなかったのだろうと過去を悔やんだりする。
音楽で成功を収めた彼の邪魔になるような事はしたくない。
それに、彼女も既にいてるかも知れないから。
12月の風が吹き抜ける街路樹。
肌寒さに震えて、マフラーを口元まで覆い隠した。
ふと隣で歩く洋平を見れば、目が合う。
「Aさ、彼氏できた？」
「なんで？いないよ」
「そか。や、うん…なんか可愛くなってっから」
「は！？なに言ってんの！気持ち悪い！」
「おまっ、珍しく褒めてやってんのに！」
「だからそれが気持ち悪いんだってば！」
会わないうちに変わったのは何も洋平だけではない。
自分では変化には気付かないけれど、洋平にはそう見えてるのかな。
私が洋平にそう思うように。
「洋平、は？彼女…いるんでしょ？」
「ふっ、なんでいる前提なの？」
「なんとなく」
洋平みたいに私はカッコよくなったからとは言わない。
なんか悔しいから。
「いない。そんな時間ないし」
「そ、か」
その答えに安心もしたけど、一線置かれたような気がして寂しくなった。
やっぱり、私が彼女になる可能性は一ミリもないのかな。
淡い期待も虚しく、気付けば自宅の前まで辿り着いていた。
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抹茶ミルク(プロフ) - ねこもちさん» 感想ありがとうございます！ご指摘ありがとうございます！そういうの凄く助かります。他にも気になる点などございましたら遠慮なく言ってください！重ねてお詫び申し上げます。ありがとうございました(^-^) (2018年10月2日 0時) (
レス) id: acb8b852dd (このIDを非表示/違反報告)
ねこもち(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています！すみません、1話の[Alexandros]のスペルが[Alexandoros]になっていて、私的には問題は無いのですが、一応報告させて頂きます。図図しくてすみません。これからも頑張ってください！楽しみです！ (2018年10月1日 23時) (レス) id: e73785f408 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ミルク(プロフ) - umiさん» はじめまして。この度は読んで頂きまして誠にありがとうございます！とても嬉しい感想を頂き、光栄に思います。今後ともよろしくお願いします！ (2017年12月21日 21時) (レス) id: acb8b852dd (このIDを非表示/違反報告)
umi(プロフ) - 感動して涙してしまいました。切ないけど、私はとても好きな物語でした、ありがとうございます(^ ^) (2017年12月21日 21時) (レス) id: 3b0313e513 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ミルク(プロフ) - 、さん» 不慣れなもので、不快にさせてしまい申し訳ございませんでした… (2017年12月15日 22時) (レス) id: acb8b852dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ミルク | 作成日時：2017年12月11日 19時
