不正解 ページ31
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校舎から少し離れた道路に車を一旦停めて、
Aには車内で待っているよう伝え、僕は歩き出した。
ほんの数分Aを一人にするだけでも怯えてしまう僕は、
あまりに過保護すぎるだろうか。
少し早歩きで校門から入ると、丁度下校時刻のようで、
制服を着た人達が、僕を一瞥しながら歩いていく。
Aとは同い年と思えないくらいみんなはしゃいでいて、
子供っぽくて。
何処か落ち着きすぎているAがそうなってしまったのは、
僕のせいなんじゃないかって、また勝手な想像で胸を痛める。
Aのことになると、兄としても、男としても、
あまりに何の自信もなくなってしまうんだ。
僕がAに与えてきた環境は、
全て間違いだったような気がして、よく怖くなる。
二人で暮らしたことも。
築き上げてきた生活も。
昨日のキスも、全部。
職員玄関の手前で淳太に電話を掛けると、
淳太は慌ただしくやって来た。
「しげ、どないした?Aに何かあったんか?!」
「ふはっ、淳太が焦ってんの、なんかおもろいなあ」
「何やねんそれ。人が心配してやってんのに。
んで?どないしたん?」
「Aが昨日持ち物全部忘れて帰ったって言うから取りに来た」
「…はあ?」
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作者名:みなみ | 作成日時:2018年3月7日 21時