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幸、不幸 ページ24

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今、僕は幸せだ。


このまま死んでもいいくらいに幸せ、

でもまだこの幸せに浸っていたいから。









きっと僕は明日も息をして。


いい匂いの髪の毛。

微笑んだ顔。

そんな何かに、幸せを噛み締める。









そう、
分かり切った明日は、
絶対なんかじゃないのに。


何一つ疑わずに、僕は真っ直ぐ、
明日を願って、思いを馳せる。

形無い、頼りない、明日の幸せに。









きっとこの世の、幸と不幸の数は決まっていて。


誰かが幸せになる裏に、
不幸へと堕ちていく人が必ず在ることを。






そんな残酷な現実を、
それが如何に残酷なのかを、

本当の意味で理解している人間なんて、
結局この世には居なくて。



僕もその一人だ。








まだ恋に青いこの時の僕は、
そんなこと、考えもしなかったのだから。


毎日幸せで、それだけに満足して。


自分の幸の裏で大きくなっていく不幸なんか、
影すらも見えていなかった。









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作者名:みなみ | 作成日時:2018年3月7日 21時

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