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淳太side
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「しげ、」
「ん？」
「俺は、二人がどんな選択をしても、味方でおるよ」
「淳太…」
「でもそれは、応援したり賛成してるんとはちゃう。
二人は世間には認めて貰えないからや。
誰にも認められへんのは、何処にも味方が居らへんのは辛い。
だから、俺が、俺だけは味方になりたい」
「ほんまに、ありがとう」
「せやから、俺にだけは、絶対に隠し事はしやんで」
「分かった」
俺の言葉に嘘は無い。
しげは、Aにすら本心や悩みを言えないだろう。
だから、俺は脆くて、放っておくと壊れてしまいそうなしげを、
守る役割を果たしたい。
「俺は、二人が一緒になったってええと思ってる。
俺が今から言うことは、それを分かった上で、聞いて欲しい。
聞き流してええから」
「うん」
「しげ。二人にはさ、ゴールってないやん」
「ゴール…」
「結婚出来る訳やないし、家庭を築くことも出来ん」
「うん、分かってる」
「それでも、二人が二人で居ることが一番幸せなら、
それでええねん」
「うん…」
「せやけどさ、俺、今のしげ見てて、
何か幸せそうに見えへんねん」
しげの相槌が止まる。
「確かに、片想いやった頃は、
ほんまに苦しそうやったのを俺は散々見てきて知ってる。
けどさ、何か、今の方が苦しそうやねん」
しげは、言葉を発さない。
否定も、しなかった。
「俺は、二人を見守ってるし、味方やで。
せやけど、二人ともこれから先の人生の方が長いわけで。
このまま二人がほんまにずっと一緒に居て、
幸せになれるんかって考えた時に、」
俺の言葉に、俯いていたしげが顔を上げた。
「離れることも、一つの選択肢ではあると思う」
哀しくて、色の無い目をしていた。
多分、こんなことはしげが一番分かっている。
でも、どうしても伝えたかった。
酷なことだと分かっていても。
「もう少し、色んなもの、ゆっくりでええから見てみ」
「淳太、僕…」
「まあ、ええねん。何でもええ。しげとAが、幸せなら」
高校に入ってから知り合った俺は、
しげの瞳の煌めきを、見たことがあっただろうか。
いつか、しげが心から笑う顔を、見れるんかな。
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作者名：みなみ | 作成日時：2023年6月20日 16時
