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突然の事故だった。
Aがいつも通り流星と帰ろうとしていた放課後、
いつも合流する道に流星が来なかった。
雨が強いのもあって心配になり、
Aが流星の高校の方に歩いていってみると、
途中の道に人集りが出来ていて、そこの真ん中で倒れていたのは、
流星だったそうだ。
流星は雨でスリップした車に轢かれていた。
雨でスリップしたことで、
真っ直ぐ流星に突っ込むことは免れたが、
脚に怪我を負い、頭を強く打っていると言われた。
「僕の、せいや…」
ICU前の待合室で座ったまま、項垂れる。
情けなくも涙が床に落ちた。
大ちゃん大ちゃんって。
いつも穏やかに優しく、僕達の間に自然に溶け込んだ流星を。
僕のことを慕ってくれていた流星を。
僕は、身勝手な理由で嫌悪し、
その存在が消えることを願ってしまった。
だから、罰が下った。
身勝手な願いが、現実になるという罰を。
「お兄ちゃん、」
俯いたままだったAが、
床に落ちた涙に気付いて声を掛けてくる。
「お兄ちゃん、流星がもしこのまま目が覚めへんかったら…」
「…そんなん考えんな。必ず目覚ますよ」
何て無責任なんだろう。
僕は取り繕った綺麗事をAに言っている。
本当は最低の人間なのに。
「どうしよう。二人だけになってもうたら、」
震えた声で呟くAの声が耳に届いた時。
僕はまた、自分を呪った。
もしこのまま流星が目を覚まさずに、
流星が来る前のように、二人に戻ったら。
そんな未来を想像した自分が、
こんなことになってもまだ、心の奥の奥に、居たから。
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作者名：みなみ | 作成日時：2023年6月20日 16時
